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驚きと死を目の当たりにした恐怖心を生きている人間だからこそ感じ、その脆さを主人公も周囲の登場人物も形を変えて数日後にあわられてきた。
それから起こるミステリーは死んだはずの千菜の名前で手紙が届く。
誰にもいえない秘密を抱えて人は生きていくから面白い。
睡蓮と蓮という、誰もが同一視しがちな花をモチーフに、ある宿命を背負った女性・美雪と、その生き別れた息子・順哉の周囲に起きた事件を絡み合わせて、タイトルにつながるテーマを上手く浮き彫りにしていきます。
「因果倶時」という、蓮に込められた、そして人間の宿命にまつわる、諦めとも高潔さとも神秘性とも言い換えられる崇高さをもって、泥の中から汚れに染まらず生き抜き、花を咲かせる清々しさを、宮本輝はこの小説によって訴えたかったのでしょうか。終盤近くでタイトルに睡蓮を選んだ意味に気が付き、いつもながらのタイトルの付け方の妙に絶句しながら、睡蓮が咲くいろんな国でこの花が神聖化され、宗教観を抱かせるまでに崇められてきた理由までわかった気がしました。
この小説を読んで、睡蓮そして蓮という古代から咲く花が私にとっていっそう興味を掻き立てる存在になりました。
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