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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
少女・睡蓮と 差別にあう張金との密着した日々,
By クラバート (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 睡蓮の教室 (新潮クレスト・ブックス) (単行本)
1972年〜1974年、文化大革命下の中国。知識階級の子供として生きる少女・睡蓮(12歳〜14歳)を通して、 差別と欺瞞に満ちた重々しい時代と その時代下であっても押しつぶされない、 明るくイキイキとした感性や少女たちの親密な交友関係を追体験しました。 さらに時代や時の指導者に対する冷静で皮肉な視線にいたく感心しました。 前半は、全身にできた皮膚病を理由に、母親と共に「再教育施設」で暮らすことを許され、 極端な飢えと劣悪な環境の中で、 睡蓮は収容された(時代を見抜いている)知識人たちから 学校では決して教えてくれない事実や自ら考えることの大切さを授けられるというお話です。 彼女は、友人もおらず一人の時間を睡蓮の浮かぶ池のほとりで、 カエルやコオロギ相手に架空の講義を語ります。 再教育施設の中で自由に学ぶ、という相反する(恵まれた)立場におかれたわけです。 後半は、北京の学校に戻った睡蓮と貧しく蔑まれる張金との密着した関係を描いています。 睡蓮は張金を助けて、勉強・スポーツなど優位な地位に押し上げようとするのですが、 何を達成しても張金は蔑まれ、イジメはエスカレートしていきます。 張金の先の見えない苛立ちとやがて崩壊していく過程、 睡蓮の友を思う心情、後には正義感が 物語を力強く引っ張っていきます。 さらに、女性としての目覚めや悩み、男性に対する恐怖心も描き添えて、 その年頃の少女達のリアリティを出しています。 時代や国を越えて共鳴できました。 (それにしても、中国人の感性って日本人に似ている。) 600ページ弱の大作ですが、夢中になって読みました。 ラストの唐突な展開にとまどいましたが、 また一人才能に恵まれた中国出身の作家に出会えました。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「文化大革命」という世界を生き抜く少女たち,
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レビュー対象商品: 睡蓮の教室 (新潮クレスト・ブックス) (単行本)
ユン・チアンの「ワイルド・スワン」(講談社)で赤裸々にされた圧倒的な不条理、唾棄すべき理不尽さが本書でも顔を覗かせる。本書では、ひたすら悲惨な出来事が活写されるばかりではなく、そこはかとないユーモアも垣間見れるのは9歳から14歳へと成長する多感な少女の一人称で描かれた小説だからなのかも知れない。当時(今も変わりないのだろうか?)この国には「階級」のほかに「階層」も存在し、ブルジョワ/プロテスタントでは括れない複雑な差別があった。ヒロインはエリート階級の娘で、彼女の親友は最下層の女の子である。ふたりが友情を育むところからその後の過程に沿ってドラマが大きく揺り動いていくのだが、忸怩たるものを禁じえない。一連の騒動を巻き起こした「偉大なる首領」批判の先にあるものも本文中に示されており興味深い。物語のラストは別の小説が間違って挟み込まれたような感がある。
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