この映画は私が子どもの頃はよくテレビで放送していて子供心に「いい映画だなあ…」と思って観ていた記憶があります。
1957年のアカデミー最優秀特殊効果賞(現アカデミー音響編集賞)を受賞しているそうですが、まあ音響的にはU-571とは比較にならない程度です。
でも、当時としては大迫力だったのでしょう。
映画の製作に当たってはアメリカ海軍の協力を得られて、本物の駆逐艦を使って爆雷も本物を使ったようですので、そのCGではない爆発の水しぶきは本物の迫力があります。
でもミニチュアを使ったシーンもあり、ここはやはり、昭和30年代レベルのものです。
この映画、そんなところはどうでもよく、やはりよくできた面白い映画でした。
アメリカ軍の駆逐艦の艦長はロバート・ミッチャム。
元貨物船の3等航海士で、自分の船に乗せた奥さんをこの戦争で失っており、戦争に批判的です。
乗組員からはUボートとの交戦までは素人扱いされていて、信頼されていない状況でした。
それが、Uボートとの戦闘が始まり、艦長の手腕を感じ取った部下からどんどん信頼されて行きます。
一方、ドイツ軍のUボートの艦長は、
これまた、この戦争で二人の息子を失い、戦争にもヒトラーにもとても批判的な艦長です。
部下の一人がナチス流の敬礼をするのを見るだけで嫌な顔をします。
そのどちらも戦争に批判的な艦長なのですが、いざ戦うとなると大変な戦術士で、お互いにレーダーで相手の存在を知ったとき、「本物の敵かどうか」を探りあうレベルのときから高度な駆け引きをし、見えない相手の心理を読みながら逃げようとしたり、攻撃したりしあいます。
最初にわざと駆逐艦はUボートに腹を見せます。
Uボートの艦長がいいます。
「よほどの利口かバカだな」
「どちらかは、すぐにわかる…」
そして、
「敵の艦長は素人ではないな…。こちらもだ…」
お互いの腹を探りながら戦闘は長引き、いつしか、相手への尊敬の念まで芽生えるわけです。
戦争映画というとそのほとんどが味方は勇敢で優秀、敵は極悪非道というようにどちらか一方に偏った描き方でがされているものですが、この映画が新鮮だったのは、どちらも立派に描いているところ、そしてどちらも戦争を否定しているところでした。
どんな攻防があるのかは映画を観てのお楽しみ!
最終的には駆逐艦もUボートも大破し、最後まで艦に残っている艦長二人。
もう、逃げることはあきらめていたUボート艦長にロープを投げて助ける駆逐艦艦長。
そこへ先に救命ボートで逃げていた乗組員が戻って二人の艦長を助けます。
日本軍人だったらまず確実に艦と一緒に沈んでいく艦長となるのでしょうが、西洋人ですから迷わず艦から離れます。
傷ついたお互いの艦の甲板で初めて相手の姿を見る二人…。
目が合い…
そして、敬礼…
まさに、ノーサイド。
ラストシーン、戦闘が完全に終わり、アメリカ軍の援軍の艦船のデッキの上でタバコを分け合いながらの二人の艦長が交わす会話がなかなか聞かせます。
「私は何度となく死ぬ運命に逆らってきた。
今回は君のせいだ」
「では、今度はロープを投げるまい」
「いや、君はまた投げるね」
いい映画です!
この映画、女性は一人も出てきません。(写真でさえ…)