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眼の海
 
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眼の海 [単行本]

辺見 庸
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

あの大いなる日にはじまった
海・死・宇宙をつなぐ、目くるめく原光景の巡覧!

驚倒の書き下ろし詩篇「フィズィマリウラ」を併録。
・・・・・伝えられた風景はすべて偽造。これが地獄めぐりの美しき真景である。
稀代の詩的確信犯による言葉の繚乱と官能的狼藉・・・・・

内容(「BOOK」データベースより)

海・死・宇宙をつなぐ、目くるめく原光景の巡覧。伝えられた風景はすべて偽造。これが地獄めぐりの美しき真景である。稀代の詩的確信犯による言葉の繚乱と官能的狼籍…驚倒の書き下ろし詩篇「フィズィマリウラ」を併録。

登録情報

  • 単行本: 192ページ
  • 出版社: 毎日新聞社 (2011/12/1)
  • ISBN-10: 4620320730
  • ISBN-13: 978-4620320731
  • 発売日: 2011/12/1
  • 商品の寸法: 21.2 x 14.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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暴力への対峙 2011/12/17
By adanama
辺見庸が3.11後に書き綴った詩集。
ふたつの章のうち、2章は全て書き下ろし。

「悼む」ということは、これほど自他を傷つけるものだったか。
言葉を発するということの重さを感じさせる、
2011年を代表する本の一冊だと思う。
実際の「おびただしい死」を前に、著者の言葉は『生首』からさらに
変化せざるを得なかった。そういう批評的な言葉が無効化するほど、
どうやって書いているのか見当もつかない、
木の枝を折り、血を流しながら削り出して作った凶器のような言葉。

無数の傷を負った状態で泥の中を這うような読「中」感。
いくら読んでも読み終えた気になれない。
記憶を彷徨うような「行方」「赤い入江」。
闇の中で未来を照射するような「フィズィマリウラ」。
痛みを感じると同時に、心の奥の何かを掬いとられる。

私たちが、今生きている世界はどのような世界なのか。
私たちは心の底から他者を悼むことができる。
同時に、他者を悼むふりをすることもできる。
その気になれば、他者を悼むことをスマートに/効率的に消費することもできる、
ような気がする。
ある意味では、私たちは震災が起こるずっと前から
静かな暴力性に満ちた世界ですでに生きてきている。

著者が対峙しているのは、見つめているのはそうした世界だ。
著者の故郷・石巻を破壊したあの「海」であると同時に
私たちが知らず知らずのうちに作り上げ、完成させてしまっている
この世界の暴力性そのものなのではないかと思う。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
3.11後に著者が出した単行本が詩文なのをやや、不満げに手に取った。
詩文が苦手なので一読しただけだったが、後に執筆された著書「瓦礫の
中から言葉を―わたしの<死者>へ」を読んでから再読。

「言葉が我々を見放す」というある詩人の警句を他の著書で何度も用い
る筆者だが、なんとかして相手に伝えようとする著者の姿勢は変わらず、
本書においても詩文を用いてのその姿勢に安心?した。

グロテスクさ、リアルさ、等々、同じ震災の風景を描いているはずだが、
報道や「震災詩」とは全く異なる風景。
自分の故郷の風景、記憶、経験、震災の景色を自分の言葉を尽くして相手
に伝えようとしている緊迫感に息が詰まるが、新聞やテレビなどでは決し
て触れることのない確かな言葉の感触がある詩文です。

いい加減な言葉を言うべきではない、
用いる言葉は自分自身を侵すものだなと思い至った次第です。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By みこ
私にはうまい言葉でこの詩集を表せませんが、東北出身でありながら、半身不随のために動くことのできない毎日の中、3・11以降、表現する言葉を失いながらしぼりだされた、そのような詩の数々です。

どんななぐさめの言葉よりも、はげましの言葉よりも、おそらく被災者の心に呼応する癒しのような作用さえもたらすのではないでしょうか・・・。

絆とか、がんばろう東北、犠牲者の美談、そういうまやかしにはっきりとNOをつきつける、辺見庸さんの圧倒的な表現力にただただ表現者の底力を感じました。
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