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眼の奥の森
 
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眼の奥の森 [単行本]

目取真 俊
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

せめぎあう記憶、ひびきあう言葉。米軍に占領された小さな島で事件は起こった。少年は独り復讐に立ち上がる―60年の時を超えて交錯する記憶の物語。連作小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

目取真 俊
1960年、沖縄県今帰仁(なきじん)村生まれ。琉球大学法文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 221ページ
  • 出版社: 影書房 (2009/05)
  • ISBN-10: 4877143939
  • ISBN-13: 978-4877143930
  • 発売日: 2009/05
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By teeakira VINE™ メンバー
形式:単行本
季刊『前夜』に連載されてい作品が、
加筆修正され、
影書房から出版されました。

沖縄戦での悲劇を背景とし、
現在にまで続く、悲劇。
それは、
“戦争”という悲惨な状況下で起こった悲劇と言うだけでなく、
その時代、その時代に生きた人たちの、
目を覆いたくなるような残酷な選択によって、
差別され続けた人たちを、
陰惨な絶望的な状況に追い込んできました。
しかしなお、その絶望的な状況の中で、
回復の兆しの見える希望を見出すことができるかどうかは、
今を生きる一人ひとりの選択にかかっている。

敗戦直前の沖縄北部の小さな島。
本当から大人なら泳げてしまうほどの近い距離にある。
すでにアメリカにより占領されていた島の海岸に、
4人の米兵が泳いできた。
貝を獲っていた子どもたちと少女。
その少女を襲う米兵。
村人はその事実を知りながら泣き寝入り。
繰り返し村の女を襲いにくる米兵。
ただ一人の少年が、
銛を持って、この米兵に向かっていった………。

オムニバス形式を取りながら、
すべての短編が連作となっている。
そのどれもが、痛みと苦さを伴い、
いまの問題として、
突き刺さってくる。
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By fanye
形式:単行本
目取真俊の作品をほとんど全て読んでいる。
『虹の鳥』の激しい憎しみと暴力のあと、著者は何を描くのだろう……と、期待(というより不安)を抱いていた。
これ以上の強い憎しみと暴力を描けるのだろうかと思っていたからである。
しかし、『眼の奥の森』は全く新しい世界が展開している。
もちろんここにも戦争が残したどうにもならない痛み、憎しみ、人生を崩壊させる現実が描かれている。
米兵に犯された一人の少女、そして彼女をとりまく人々は、さまざまな思いでこの出来事を心に刻み続けている。
60年の時を経ても、深く傷ついた心身を取り戻すことはできない。
その人々の思いが「語られる」ことによって他者へと開かれ、目の前に展開されていくのがこの小説である。
読みながらやりきれない気持ちがこみ上げるのと同時に、もはや接触することのない人々の思いが共鳴していくのがわかり、
何か新しい可能性を感じることができる。
そういう意味でこれまでの著者の作品とは違った新しさを感じる作品である。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
今もまだ沖縄に残る戦争の痛みを描いている。米兵におかされた少女(似た事件は他にも頻繁に起きていた)と、その仇をとった少女の隣人の若者(2人はそれまで、お互いに思いやりに溢れた関係を築いていたのだ)。その仇討ちの場に居合わせた子どもたち。皆がそれぞれ苦しみを背負うことになる。日本軍からも米軍からも精神的、肉体的苦痛を受けた沖縄の人々の様子は地元の言葉で語られているので、沖縄の人たちにはより一層共有できる内容かもしれない。それに本書の話は戦時中の出来事だが、今も基地周辺では時々、起きる事件でもある。

 事件のその後を現代のとある女性が、人々に話を聞いてまとめるというスタイルで、今日までの影響を追いかけていき、また事件に居合わせた女性が夜毎の夢に苦しめられていく様子も合わせて語られる。その女性が事件のあった島へ行くのは60年ぶりのこと。それぞれの足跡を辿ろうとするのだが・・・。

 でも先日、テレビで集団自決のあった島の話を見たので、本書の話も地獄だが、それ以上の地獄を知ったので、本書から受ける衝撃は薄まってしまった。戦争がなければ、みな普通に暮らせたはずなのに。だけれど、村上春樹の『1Q84』では、そうやって自由に暮らせていけるはずが、自分を取りこむ、囲み、枠組みもなければ、自ら囲みのようなものを模索してしまう様子が書かれてもいたし、ただ毎日を平穏に暮らすということは実は難しいのかとも思う。もちろん本書のように沖縄の人々は囲みを決して求めていたのではなく、強制的に苦しみだけ押し付けられたのだけれど。
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