10話からなる短編集です。スカイツリーと東京タワー自身が語る2作品のほかに、本のタイトルから連想されるような、高いところから見る風景が織り込まれた話が幾つかでてきます。
2011年を中心とする世相を反映したような作品集で、ニュースで流れた事件や、今、話題になっている事柄などを題材にしている感じで、例えば、大地震、資産家の老姉妹、ブログを媒介とした交流、ネグレクトなどでてきます。
作品によって、後半に意外な展開が待ち構えているストーリーもあるのですが、淡々とながれていく話もあり、そのなかでは、東京タワーの手紙と、「よろず化けます」「おさななじみ」の短編は、じんわりしてくる読後感で好みでした。
ただ本書の前後に、『冠婚葬祭』など同作家の本を読んだので、比べてしまうと少し物足りなく感じました。