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眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎
 
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眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎 [単行本]

ダニエル T.マックス , 柴田 裕之
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

1765年11月、水の都ヴェネツィアで評判の高い医師が謎の死をとげた。この医師の子孫の多くが、同じような病で命を落としていく。呪い、疫病、脳炎、性病、奇病と、さまざまなレッテルを貼られながら・・・共通しているのは死の数ヶ月前から眠れなくなること。
数世紀を経て20世紀も終わりかけた頃、この致死性不眠症の原因が、羊たちに流行した震え病であるスクレイピー、パプアニューギニアの部族を襲ったクールー病、そして世界を震撼させた狂牛病と同じく、殺人タンパク、プリオンとわかったが、治療の目処はつかない。
そうこうするうちに、アメリカの野生の鹿に似た病気が蔓延、新型クロイツフェルト・ヤコブ病の
拡大が噂される中、殺人タンパクの起源を辿るうちに、80万年前の人類の「食人習慣」の事実にたどりつく・・・「事実は小説よりも奇なり」を地でゆく、驚きのストーリー

内容(「BOOK」データベースより)

ヴェネツィアのある高貴な貴族出身の一族は、謎の不眠症に苦しんでいた。この病気は中年期に発症し、異常発汗や頭部硬直、瞳孔収縮を引き起こし、やがて患者は不眠状態に陥って死んでしまう。この一族の数世紀に及ぶ物語を軸に話は展開、やがてこの病がクールー病、狂牛病と同じプリオン病だとわかる。プリオン病の起源を探るうちに、80万年前の食人習慣へとたどり着く。

登録情報

  • 単行本: 358ページ
  • 出版社: 紀伊國屋書店 (2007/12/12)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4314010347
  • ISBN-13: 978-4314010344
  • 発売日: 2007/12/12
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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110 人中、104人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
イタリアはヴェネト州のある一族に患者が集中する「致死性家族性不眠症(FFI)」。身体の痙攣などの不随意運動と痴呆に似た症状を持ち、患者は眠ることができないまま壮絶な苦しみのうちに死に至るという、考えるだに恐ろしい残酷な病である。自らも原因不明の疾患を抱える筆者は、この奇病に冒された一族の来歴を軸に、類似した症状を持つ、羊や牛を襲ったスクレイピーやBSE、ニューギニアの部族に蔓延したクールー病といった疾患を追い、その原因とされるプリオンの発見に至るまでの歴史をミステリー仕立てで紹介する。

核酸を持たない単なる分子でしかなく、単なる分子であるがゆえに、生命体としての生き残りというセオリーにも当てはまらず、その目的がさっぱりわからないにもかかわらず、感染し、遺伝するという、感染症の従来の概念を覆す謎に満ちたプリオン。科学者たちにとって格好の研究対象であったようで、本書は彼らの野心や功名心をむき出しにした研究レースに触れ、価値判断に影響を受けざるを得ない「科学」の迷走ぶりを描き出している。

副題の「食人の痕跡〜」であるが、人類が、プリオン病に罹患しにくいとされる遺伝子コードを持つに至った理由を類推していく中で、過去に食人によるプリオン病の蔓延があったのではないかということを指しているが、恐ろしいことに我々日本人のほとんどはその遺伝子コードを持ち合わせていないそうだ。我が国でもアメリカでBSEに罹患した牛が発見された際、輸入の全面禁止と、全頭検査を条件とした輸入再開と慌しかったが、政府が対応を急いだ背景に日本人の遺伝子特性があったとは背筋の凍る話ではないか。

難解な科学用語や理論を平易に解説し、なおかつ、脚色が殆どないにもかかわらず、冷静な筆致で小説としても読ませる内容となっており、本書を一流のメディカル・ミステリーたらしめている。一読をお勧めしたい。
このレビューは参考になりましたか?
53 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
ブリオン蛋白質によって発症する遺伝病FFI。BSEが牛の共食い飼料に原因があるとされ、
それでは有史、人が人を食うという事実では何が起こっていたのか?そしてBSE牛の遺伝は?

ということが主軸で中世まで遡り、異常蛋白と人間の食文化、儀式を再検証する
が、FFIの最大特徴である「不眠」についての描写が僕には何より恐ろしかった

人間は人生の三分の一は寝ている。ある年齢を超えると、心地良く眠ることは
闊達に起きている歓びと等価になる。眠れない、眠らせないというのはしばしば
拷問の一つとして使われてきた方法であるほど眠りは人間の心身に影響する
眠っている間、眠りが素晴らしいとは感じない(それは日々空気を吸っている
ことが素晴らしいと感じないのと同じだ)。しかし、都会から清涼なる土地に
移動して胸いっぱいに呼吸をすることで心身が回復するのを感じるように、
生を自覚するからこそ、生を無自覚化する(無意識化ではないにせよ)眠りは
生物の機能なのだ。それを先天的に失うことが分かっている人生とは、何と
恐ろしいことだろう

鬱病の重要な治療法に「ただ、寝る」ということがある
僕も年に1,2度の軽度の鬱を感じると2日ばかり、ただ寝る
すると何となく回復する

生物は同種の生物を食べない。その禁を犯したBSEは、しかし、史上、人類にも
人類が起こしてきたことにも数多くあり、その報いが「不眠」とは!

夜中、ゆっくりと本書を解きながら、心地良く眠れるというのは何とも皮肉な
喜びである
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By k007
形式:単行本
謎の病原体「プリオン」解明までの推理小説風のドキュメントである。巻末の「訳者あとがき」にはメディカル・ミステリーとあった。

話は、イタリア北部の小さな町にすむ一族を次々と襲う致死性家族性不眠症から始まる。この病気と、イギリスで蔓延したスクレイピー、パプアニューギニアのクールー病の三つの糸が、やがて一つに結びつけられる。病原体として、それまでの医療の常識を越えたタンパク質が疑われ、徐々にその状況証拠が固まっていく。

本書で活躍するガイジュシェックもプルジナーも、この病気の解明に関わったノーベル賞受賞者なのだが、表も裏もきわめて人間くさく描かれており、アメリカ人ジャーナリストらしい人物中心の話の展開である。

全体のスピード感もあり、ドキュメントの佳作といえる。
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投稿日: 5か月前 投稿者: KJ
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タイトルだけ見ると上品なミステリーかと思わせるのだが、副題に「食人の痕跡と殺人タンパクの謎」とある。これだけで只ならぬものを想像させるのだが、中身を読むとさらに尋... 続きを読む
投稿日: 16か月前 投稿者: naichi
すでに浸透しているプリオン病
 本書は、プリオンに関するノンフィクションである。
 装丁がヘンテコ?で、成毛眞氏の推薦がなければ、絶対... 続きを読む
投稿日: 17か月前 投稿者: エンリケ・平賀
訳者の表現力に期待
プリオンが催すBSEやそれにまつわる脳の病気を描いた作品。... 続きを読む
投稿日: 2009/3/22 投稿者: TOK
なんとも衝撃的な理由でした
中年以降になって不眠症となり、悶絶しながらそれでも意識ははっきり保った状態で死を迎える、そんな病気がある一族に繰り返し発生します。... 続きを読む
投稿日: 2008/8/15 投稿者: jiateng4
サイエンスライターあるいはジャーナリストのあるべき姿
メディカルミステリーと言う範疇らしい。... 続きを読む
投稿日: 2008/4/9 投稿者: dream4ever
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