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28 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
読んでよかった,
By はるか "りんな" (大阪市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝 (単行本)
この回想録は2部に分かれる。軍人としての淵田と、キリスト教伝道者としての淵田である。この回想録の前半がキリスト教伝道者に引っ張られて、反省・反省のいわば自虐的なものだと面白くないと思って読んだがさにあらず、バッチリと軍人・淵田が息づいていた。語られていることは、すでに知っていることも多いが、ミッドウェーの海戦がその前のドゥーリトルによる東京爆撃に矜持を傷つけられた山本五十六の云わば復讐で、戦略的な合理性を欠いていた、といった指摘は戦争の人間臭さを感じさせて面白い。この回想は事実があってから随分と時間が経ってから書かれている。結果が分かってから書かれているのだから、多少とも我田引水的な点があるのでは?と思うがよくわからない。その点は、中田整一氏の親切な解説で補われている。後半の伝道者としての回想は信仰の問題だから、色々の読み方があるだろう。
30 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
かなり良い出来です,
By
レビュー対象商品: 真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝 (単行本)
昔、テレビで取り上げられて、息子が自叙伝の草稿を持っていた物を今回、出版したものです。内容は幼少の頃の夢から真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦等と綴られています。後半はキリスト教の伝道者として、自分が牛小屋の近くで生まれたのとキリストが馬小屋で生まれたことをダブらせるあたりはキリスト教信者としては当然でしょうが、感心させられます。戦争では自分がミッドウェーでは虫垂炎に罹り、戦死しなくて済んだ話。山本五十六を凡将扱いするなど面白いです。数奇な運命を辿った、旧海軍軍人そしてキリスト教伝道者。人間、淵田の姿が鮮やかに浮かび上がります。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
価値ある自伝 編集・解説もすばらしい,
By
レビュー対象商品: 真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝 (講談社文庫) (文庫)
新しく発表された真珠湾攻撃隊長の自伝として、興味深く読みました。4部までの敗戦までと5部の回心での戦後のキリスト教伝道活動と2つのテーマにわかれています。まずは、太平洋戦争を通して海軍航空隊の要職であった氏の経験や考えがよくわかります。 生い立ちから真珠湾攻撃(トラトラトラ)の計画と実施までに、大戦記述の約半分(180項)を費やしていることから氏の緻密な性格が、また航空主兵論の信奉者としての一途な性格もよくわかります。 ただ、氏が清濁併せ呑むいわゆる豪傑といったタイプでないというのが、彼の指揮官批判、組織批判(勝負度胸 289項、山本五十六凡将論 201項)などからわかります。 彼は組織のトップというよりは 緻密で一途な性格の現場を率いるリーダーまたは幕僚といったタイプでしょうか。それらの批判は若干一面的だなと思いました。 それらには章末の中田整一氏の解説が文献を引用してやんわりとバランスのとれたフォローアップをしてます。 保坂氏の解説ではキリスト教への信仰で日本の軍人からの交友が狭められたとありますが、私はむしろ、それにより可能になったアメリカの元指揮官たちとの交友の記録が参考になりました。とくにマッカーサーの対日占領政策の反省(465項)などは、初めてあかされたもので、政治的にもかなり貴重な発言なのでは?と思いました。 戦後しばらくして書かれていることもあってこれは氏の心象風景で、いくつか欠落している戦いもあります。日本海軍が、航空部隊の大半を失った天王山の戦いには 昭和18年11月のブーゲンビル航空戦(ラバウル撤退)と、昭和19年6月のマリアナ沖海戦(サイパン撤退)がありますが、それらについてはまったく記述がありません。 年表によると ブーゲンビルのときは氏は第一航空艦隊主席参謀、マリアナでは連合艦隊主席参謀で、とくにブーゲンビルで第一航空艦隊の8割の戦力を失った戦いの当事者なのに?という思いがありました。 個人でこつこつと書き溜めた日記に近いものなので、やはりその辺が限界かなと思います。 陸軍批判は彼と「機動部隊」を共著した奥宮氏もどうようなことを書いておられますが、それにたいしては、亀井宏 「ガダルカナル戦記 第一巻」(光人社)の大本営陸軍参謀の井本氏の記述(196項)を参照されたい。陸海軍の対立の根本をもっとも的確に、客観的に記述していると思います。 彼の妻も書いているように欠点も多かった淵田氏が、これだけおおくの知己をえて、遺稿が出版されるというのは、やはり氏が周りから愛され、信頼されていたのだなとも思います。
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