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ワデルが残した言葉が不気味に響く。「私を殺してもけだものは死なない。そいつは暗闇を好み、血と肉をむさぼる。兄弟たち、もう大丈夫と思ったその時から、注意し始めないといけないぞ。1つの罪がまた別の罪を生む」
ワデルの死後、彼がよみがえったかのように連続殺人が起きる。数日後ワデルと最後までコンタクトを取っていた占い師が殺され、現場からワデルの指紋が検出された。10年も刑務所にいたワデルの指紋がなぜ現場に残されていたのか。処刑されたのはワデルではなかったのか? ワデルのすり替えがあったなら、当局が絡んでいるはずだ。連続殺人はケイの周囲をも巻き込み、ついにはケイ自身が容疑者としてマスコミにたたかれるはめになる。
容疑者と刑事というぎこちない関係がケイをイライラさせながらも、嫌疑を晴らすために奔走する殺人課刑事のピート・マリーノ。そしてFBIのベントン・ウェズリーが脇を固める。いまや17歳に成長したケイの姪ルーシーが、頭脳明晰ぶりを発揮するのも今後の展開を期待させる。4作目にしてなお衰えを知らず評判の高い本書は、1993年CWAゴールド・ダガー賞(英国推理作家協会最優秀長編小説賞)を受賞している。(木村朗子) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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速い話の展開のために盛り込まれた溢れるばかりの問題の数々。死刑の倫理感に触れるかと思えば、ケイの姪ルーシーはUNIXをやさしく手ほどきしてくれ、10年前の事件と類似した事件が起きて、怪しげな知事や弁護士が乗り出してきたり、刑務所のモラルの問題が扱われながら、ケイの部下が殺害されケイの立場が危うくなったりと、とてもゆっくりなど読んでなどいられない。
こんな中にも絶えずケイの生活、人間関係、心の動きなどが描写されていて、ケイの息づきが聞こえてくるようだ。ケイの寸暇を惜し!んで働く仕事に対する姿勢は、読者のやる気をも呼び起こしてくれる。
そして一番驚くことは、これら盛りだくさんの内容が最後には一つの結末にすっきりと収まってしまうところだ。この作品は次への布石の意味もあり、楽しみはまだまだ続く。
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