古い話なので、最後まで読みきれるかなあ?なんてことを気にしながら読み始めたのですが、とにかく面白くて最後まで一気に読んでしまいました。速記という形をとっているため、まさに怪談と聞いて思い浮かぶイメージそのままの円朝師の語り口にまず引き込まれます。怖がらせようというよりは、どこかとぼけたような淡々とした語りが、面白くいつの間にかゾ〜とさせられてしまう。同じ円朝作「牡丹灯篭」よりも人間の欲と因業の深さがくっきりと語られているようで、より怖いです。前半3分の1くらいでハイライトとも言える場面が次々と展開されて話が最後まで持つのかなあなんて心配しましたが、次から次へと因縁がつながっていくところがまた興味を引っ張り、退屈させません。有名な「豊志賀の死」のくだりの面白さ怖さといったら・・・。蒸し暑い夏の夜に涼しくなれること請け合いです。気軽に手にとって読まれることをお勧めします。