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真昼のプリニウス
  

真昼のプリニウス [単行本]

池澤 夏樹
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

浅間山、その頂上の景観は彼女になにを教えるか。理知の回廊から旅立った1人の女性火山学者の精神の冒険。

登録情報

  • 単行本: 235ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1989/07)
  • ISBN-10: 4120018326
  • ISBN-13: 978-4120018329
  • 発売日: 1989/07
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 1,047,044位 (本のベストセラーを見る)
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形式:文庫
 火山学者芳村頼子の魂の彷徨がメイン・プロットである。その中で江戸時代の女性ハツの書いた浅間山噴火の記録が重要な役割を果たす。子供との会話や、メキシコに入る恋人との文通、プールでの先輩教授との会話など多くのエピソードが挿入されていて、重層的に現代社会を描いている。江戸時代と現代、メキシコと日本というように時間的・空間的広がりを感じさせる。易の話が出てきてこれがストーリーを展開させるポイントになっているのも着眼点がユニークである。
 いつもの事ながら池澤夏樹の文章は透明でリズミカルなので読んでいて心地良い。本書の中で一番好きなフレーズは「偶然」という言葉についてのべたもので、「この言葉はいつも事実の背後からいきなり登場して、すべての説明を押しつぶし、論議を禁止してしまう。」というものだ。登場人物も整理されていてわかりやすい。但し、火山学者が届けも出さないで、危険な火口に単身で行くというエンディングはやや非現実的な設定と思った。
 この話を読んでいて、雑誌の星座占いをコピーライターが創作しているという事を思い出した。ウケねらいの情報のおかげでわれわれは本来のものが見えなくなっているかもしれない。
 日野啓三の解説もディープで良い。
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形式:文庫
文体も読みやすく、割とすんなり読めてしまいますが、内容はかなり奥深い話です。
主人公の女性の体験を通して描かれるのは、人間と自然と世界の関わり方です。
現代の人間は自然(世界)に対して言葉を介在することでしか対峙することができなくなっています。(たとえ科学者でも)
自然を観察、分析、系統立てることで人間の許容範囲内にパッケージングし、管理、把握できると思い込んでいます。
結果細切れの各種情報を組み合わせることで、人は物事(自然)の本質からどんどん離れて行ってしまっています。
そんな中、頼子が出会う壮伍の手紙とハツの体験記は自然を(極力)そのままでダイレクトに捉えようとする形式です。
(逆に門田が取り組む「シェヘラザード」はまさに情報だけで一つの世界を構築する形式と言えます。)
人が言葉を介在せずダイレクトに世界と対峙できるのか?
頼子が火山と静寂の中で向き合うラストはそんな問いの一つの答えを暗示しているようです。
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By しかばねさん VINE™ メンバー
形式:単行本
主人公の頼子がたどりつく結末は、語られることがないまま物語が終わっている。

想像するにきっと何も起こらなかったと思われる。
目の前に起きる事柄においては。
ただし、頼子の心境においては
ただならぬ変化が起きたのではないかと思われる。

キーパーソンの門田。
道化的な存在と、その存在感がたまらない。
現実にもこういう人はたくさんいる。
切れるのだけれど、
自分でつくった論理の迷路で迷っている不器用さ加減がリアルで良い。
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最近のカスタマーレビュー
静かながら過激な物語
... 続きを読む
投稿日: 2009/12/26 投稿者: tuka
女、ということ
いろいろ、問題はあるように思います。物語としては。
池澤さんのほかの作品と比べるからでもありますが…。
なんとなく漠然とした感じ。... 続きを読む
投稿日: 2009/2/21 投稿者: catherine
内容は面白いし、文章も巧い。
1989年に書かれた作品なので、当時の社会の風潮なんかも

想像しながら読める。バブル末期の都会人の精神史、みたいな... 続きを読む
投稿日: 2007/6/14 投稿者: 匿名さん
物語、というもの。
この話には、様々なー歴史や流れを感じさせるものーが描かれていました。

現在のシャハラザード。火山研究論文。現代的男性の恋。... 続きを読む
投稿日: 2006/2/24 投稿者: harryss
物語としての世界と、個々人の中にある世界とのバランス
読むことを通じて、生活のみかたが
変わるような小説でした。

日々の過ぎ去っていく感覚を、... 続きを読む

投稿日: 2004/1/21 投稿者: 古屋荘太
Simply the best
池澤夏樹さんの何が好きって、日本語が美しいところ。
まず、最初の章の最後の文章でぐっとひきこまれます。
後は止まらない…... 続きを読む
投稿日: 2002/9/19 投稿者: pesca
舞台設定の試みが今ひとつうまく行っていません
主人公の女性火山学者が、様々な人々との交流(不思議と男性キャラが多い)を通して、自分にとって大切なものを見つけていく、という内容です。しかし、池澤氏の他の作品に比... 続きを読む
投稿日: 2002/3/20 投稿者: bluepasta
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