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真実真正日記
 
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真実真正日記 [単行本]

町田 康
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

世界にあふれる「真実」を疑え!
ストーリー、つまり嘘、を書き続けることに疲れた作家の「僕」は、本当のことだけを書く「真実真正日記」をつけはじめる。嘘と真実は次第に混沌としてゆき……。

内容(「BOOK」データベースより)

僕は作家だ。だが執筆中の小説はまったく進まない。たまには本当のことを書きたい。これはフィクションに疲れたマイナー作家の、ささやかな休暇としての日記だ。誰にも見せないのだから嘘は書かない。そういう意味で、僕はこの日記を真実真正日記と名づけよう。虚と実のあわいを絶妙に描き出す慟哭の記録。 --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

登録情報

  • 単行本: 262ページ
  • 出版社: 講談社 (2006/11/3)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062135639
  • ISBN-13: 978-4062135634
  • 発売日: 2006/11/3
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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25 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
タイトルや紹介文から想像して、世の中の欺瞞をバッサバッサと切り捨ててゆく社会的な内容かと思っていたが、さにあらず、いつもの不条理な町田ワールド、町田節全開でした。「告白」で垣間見せた、人の心や世の中の真実をあぶりだす純文学性は見事に雲散霧消していて、町田氏のむちゃくちゃさが好きなぼくとしては、いい意味で裏切られたと言えます。笑いももちろん散りばめられていて、活字ではめったに笑うことのない人も何度か噴き出してしまうでしょう。何でここまで馬鹿馬鹿しい物語や言葉を思いつけるのか、町田氏の才能には毎度感心させられます。作品の不条理さや笑い、という点においてぼくの中では筒井康隆氏を越えました。「告白」のような衝撃がなかったという点で星ひとつ引かせてもらいましたが、逆に言えば町田節が好きな人なら安心して「買い!」と言える一冊だと思います。
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 すごくおもしろい!
 “世間の人は本当のことを知りたがり、世の中には本当風のことが溢れている”が“僕”は本当風の小説に欺瞞を感じ、あえて“「これは嘘ですよ」と看板を掲げて、一生懸命”小説を書いてきた。そんな“マイナー作家”の“僕”が、文章を飾り嘘を重ねることに疲れて日記を書くことを思いつく。“その日あったこと、その日会った人、自分が見たり聞いたりしたことをただ書いてみたくなったのだ”。
 ……という書き出しに、えーっとびっくりしたけど、大丈夫。全然“本当のこと”ではありません。つまり二重の嘘。“僕”の執筆中の小説が「快楽のムラート」、遊びで始めたロックバンドが「犬とチャーハンのすきま」。もう十分笑えます。
 しいて言えば、作家としての述懐にちらりと“本当のこと”が覗く。たとえば55頁にそのへんでよく見かける随筆風の文章を書いて、次頁で“随筆原稿やなんかでこのように得々として自分ごとについて語る人がいる”が、それは“寂しいおっさん”だ、と断定したり、同業者のいろんな小説を読んでくだらないと思ったり(その中にはすごく売れてて作家が大金持ちのものがあったり)感心したり(それらの逐一がおもしろい)、「快楽のムラート」がどんどん本筋から離れて、それにつれ担当編集者が冷淡になってきたり。
 ラストが北野武監督のある映画に似ているな、とちらと思ったけど、そういうささいなプロットの相似よりも、町田康と北野武の本質的な相似は、今この瞬間の、目の前の文章、目の前の映像に夢中にさせるところにある。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
表紙も黒、ページの縁取りも黒。表紙のモデルは、異様に改造されたお人形。そこから連想されるのは難解な、あるいは混沌としたイメージなのだが、意に反して、油断していると噴き出しそうな、滑稽な“僕”の日常が綴られていく。

がしかし、物語世界は段々と不穏な空気が濃くなり、“僕”の暮らしも次第に厳しいものになってゆく。

最後のページを読み終えて、なぜこの本が黒い縁取りなのかを理解したのだけれど、それでは、作中で語られていた現実世界の風刺は、“僕”に語らせた町田氏自身の真実真正な思いだったのか、それとも作中の“僕”の勝手な暴走だったのか…。

朝の来ない長い夢を見ているような読後感を、いまだに引きずっています。
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