50年代、ハリウッドの恥部いわゆる「赤狩り(レッド・パージ)」を正面から描いた力作である。デ・ニーロ扮する職人気質の映画監督が、非米活動調査委員会(HUAC)から共産主義者と見なされて、仕事も友も失っていく。FBIの尾行は24時間全米に及ぶが、それにしても執拗である。アメリカの共産主義アレルギーのすごさが伝わってくる。
どうにも行き詰まり、とうとうHUACの公聴会でコミュニストであることを認めて、仕事に復帰することを選択するが・・・・。
調査委員の人権を無視した質問ぶりや委員長の共産主義罵倒の台詞が怒濤のごとく(よい意味ではないよ、念のため)、それこそつばを浴びせられるかのように延々と続くのだが、これが本当だったら、血圧あがって死んじゃうだろーなー、と余計な心配までしたくなるほどの熱演である。自由の国アメリカの闇の部分、言論統制のありようが分かってたいへん興味深い。
全く救いのない、カタルシスのない重たい内容なので、当時の時代背景を勉強している人やデ・ニーロのファンでないとお勧めできない映画である。
救いは、教師をしている妻役のアネット・ベニングが相変わらず美しいことである。
あと、公聴会委員長の後ろに控える補佐官役の青年は、なんとトム・サイズモアであった。スマートな金髪青年なのにはびっくり!!