左教育を受けてきた我々の世代にとって、
中国という国は、いつも「眠れる獅子」であった。
社会人になり、中国の歴史に疑いを持つようになっても
それを解説した本はなかった(部分的にはあったが)。
この本は、1840年のアヘン戦争から
1949年の中華人民共和国成立までの約100年の歴史を
余すところなく解説している(語り下ろしなので読みやすい)。
初っ端のアヘン戦争にしても、
当時の清朝からしてみれば半植民地化などと思っていない。
そうさせた(書き換えさせた)のは、毛沢東である。
真実は日清戦争に敗れ、列強が入り込み、
その後の太平天国の乱(これが軍閥の起源となる)で
半植民地化となった。
つまり、日清戦争を端に清朝が衰退していくという
真実を書くと、毛沢東にとっては都合が悪い。
そこで、ヨーロッパなら面子が立つということで、
中国近現代史の始まりをアヘン戦争と位置付けているというわけだ。
実際に現代の中国では、日清・日露戦争は
教科書では教えていない(あのロシア革命でさえも)。
本書は、のっけからこんな調子で始まるが、
中国史がいかにいい加減かを知ると同時に、
それをすんなり受け止めてきた、
われわれ日本人に対しても鉄槌を下された感じだ。
最近の中国本のなかでは、最高の本と言える。