ゲーリー・クーパーとの悲恋で有名な、大女優の自伝。『摩天楼』『ハッド』が特に知られた作品であるが、すばらしいオーラを持った女優であるが、残念ながら今日ではあまり知名度があるとはいえなくなってしまった。しかしながら、それでも、この『自伝』はやはり多くの人に読んでほしいもの。結構な分量があり、また、当時の演劇界、映画界のバックステージの話が多いので、ある程度の知識がないと読み通すのは少しつらいかもしれないけれども、一人の女性がこれでもかというほどの運命の過酷さに翻弄されながら、力強く生き抜いていく姿に心を揺り動かされる。溢れるほどの才能に恵まれながらも、残酷な運命に晒され、そして果敢にそれを耐え抜いて魂の平安を得ていく一人の女性。現代のギリシア悲劇のような趣がある。ゲーリー・クーパーとの恋愛と、その別れ、クーパーの没後、その残された家族との和解の部分だけでも、読む価値がある。本当に素晴らしい!!!