「真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ」の続編。
海外赴任中に妻を亡くした店主。夫のある女性を本気で愛したパン職人。家族愛に飢えた居候の女子高生。
既に亡き一人の女性を中心に集まったまったくの他人であるはずの三人が、真夜中にだけ開店するパン屋さんを営みながら、人の繋がりというものに触れていく。「ハートフルストーリー」という言葉がとてもよく似合う小説だという印象を受けました。
私自身は基本的に、京極夏彦先生の妖怪シリーズのような少々くどいくらいの文章の小説が好きなのですが、社会人として働き出してからというもの、なかなかその手のページが黒々とした小説には手がつけられずにいます。そんな中、この本は、書店に「評判の本」ということで平積みされていたので試しに読んでみたクチです。
正直、特別に文章が上手い訳でも、話の作り方が巧い訳でもないと思います。思うのですが、読めば焼きたてのパンのようなほんわかした気持ちになれることは確かです。
非常に読み進めやすい文章なので、そもそも本を読むのが苦手な人にはもちろん、私のように少々文章を読むことに疲れた社会人の通勤のお供にもオススメ。
登場人物にも魅力的なキャラクターが多く、素直に彼らの今後、続編の刊行が楽しみな作品でもあります。
「真夜中のパン屋さん 午前2時の○○○」が出ることに期待を込めて、星5つとしておきます。