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これまでに経験したことがない程、強烈で人間臭く、心に大きな衝撃を受けた小説に出会ったのは初めてです。登場人物は皆、大阪弁ですが、これがもし、標準語や他の方言だったらこんな風な独特な魅力を放っていなかったのではないでしょうか。
この小説を読んでいると、子供の頃の、真夏のぎらぎらと暑い日に遠く、蜃気楼を見たときの感覚とか、大人の世界の、子供である自分がまだ見てはいけない、あるいは知らなくてもいいことを偶然、見たり聞いたりしたときの何とも言えない感覚であるとか、体験して感覚として記憶しているものの言葉で言い尽くせない何かが思い出されてくるのです。短編集というと大抵、そのうちの一篇、二篇気に入ったものに出会えるいう所ですが、これはどれも独特の強烈な個性をもち、本気で心にぶつかってきます。まだまだもっと読みたい、終わってしまうのがもったいと感じられる一冊です。
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