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53 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ひとなつのおもひで,
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レビュー対象商品: 真夏の方程式 (ハードカバー)
読んでいるときは淡々と…でも、本を閉じた後に、静かにジーンと余韻が残るお話でした。 次第に明らかになる2時間ドラマにありがちなドロドロした人間関係も、最後には幻想的な海底と、少年の輝かしい未来…そんな美しいモチーフで洗われて、さわやかな読後感。 夏休みに読みたかった。 物理的なトリックは弱くて、あまりそれ自体の推理の醍醐味はないし、フーダニットも対象が実質1人、もう終盤はお涙頂戴にまっしぐらなんだけど、相変わらずの湯川先生の科学者語り、警察官たちの様々な視点、人生イロイロ、定番の要素はバランスよく盛り込まれていて退屈しませんでした。 しかし、湯川先生、めちゃめちゃ人間臭くなりましたね。 これはこれで魅力的だし、まさに彼の言うところの「成長」なんじゃないかなーと思います。 シリーズ最高の一編!とは言いませんが、佳作と思います。 オススメ。
11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
容疑者xの間逆をいった訳ですが・・・,
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レビュー対象商品: 真夏の方程式 (ハードカバー)
「それで いいんですか?」終盤の刑事が飲み込んだ言葉が私のもっとも共感するところとなりました。 「容疑者x」はラストの容疑者の慟哭が胸をえぐり これはもう真実は明らかにしなくても良かったのでは? と読後に思ったものですが、やはりそれは違いますね。 犯した罪はその事によって裁かれてこそ償う事が出来る、 そして真の救いはその後にしか訪れないのではないかと・・ ネタバレがあるので未読の方は以下読まないで下さい 愛する家族を守るため、何の罪もない第三者を犯罪に巻き込んだ主犯。 かつて自身の罪を肉親に庇ってもらい、 罪を免れ「のうのうと」暮らしている人物が 別件で取調べを受けた時には 「親だけに罪を擦り付けるなんて・・・そんなこと絶対にしません」と怒りをもって訴える 本当にこんな人達が自分が犯した罪を自分自身で裁く事が出来るのだろうかと すくなくとも「容疑者x」での献身はこんな形ではなかったと思います。 なにより何の落ち度もないのに殺されてしまった被害者とその遺族が気の毒でなりません。
34 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ひと夏の経験が少年を成長させる物語,
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レビュー対象商品: 真夏の方程式 (ハードカバー)
著者のガリレオ長編の第3作目である。この長編のシリーズでは、必ずさまざまな形の“愛”がテーマになっている。 本作では男女の愛、親子の愛、そして子供の未来に対する大人の愛がテーマであり、ミステリを醸し出すキーとなっている。 なんとも美しい作品である。 夏の、海と太陽のもとで、ストーリーが進行する。 もちろんミステリなので、犯罪がある。 しかし、風景と同様に、人の心も美しいということが、如実に語られている。 ストーリーの中心は、ひとりの少年の夏休みの経験である。 避暑地の親戚の旅館でひとときを過ごすことになった少年を中心として、前半のストーリーは進行する。 湯川と恭平少年の交流は、なんとも微笑ましいものなのだか、実はここに、のちに重要なキーとなる事項が、伏線として鏤められている。 そして後半、さまざまなことが明らかになる。 それとともに、その真実がどのように恭平少年の人生に関わってくるのか、ということが、読んでいて大変気にかかる。 しかし、それと反比例するように、恭平少年の出番は、終盤に近づくにつれて少なくなっていく。 そして終盤で、少年は前半とは異なる成長した姿で登場する。 少年は自分の足で歩くことの痛みと、それを理解する大人が存在することを知る。 そう、本作は、ひと夏の少年の精神的な成長の物語といえるのである。 科学に興味のなかった、ある意味では依存性の強かった少年が、一歩大人に近づいたところで、本作は終了する。 この少年の成長が、湯川との邂逅によるところが、本作の読みどころであろう。 だから、少年に対する湯川の言葉や態度を見落とさないことである。 いつもの湯川とは、ちょっと違うのだ。 さて、ミステリとしては、動機がいまひとつ弱かったり、心情的に納得できない点(やらせるわけがない)など、不満なところは多々ある。 しかし、これはミステリの皮を被った愛情物語であり、少年の成長物語なのだ。 そして、少年を成長させるための湯川の手段は、愛情を背後に隠した、とてつもなく冷静かつ冷徹な科学者のものなのである。 中盤のあの場面、後半部分で詳しく描写されてこそいないが、恭平少年にとって、あの行為の意味とその意図は、とても半端な重さではないはずだ。 だが、ラストを読むかぎり、恭平少年はそれをまっすぐに受け止めたようである。 本作は、ぜひ映像化してほしい。 海、太陽、花火、そして自分を導いてくれる大人との邂逅という、これ以上ない夏を経験した少年の物語として。 そして、たとえフィクションであれ、未来のひとりの科学者のおそらくは誕生を、科学者のひとりとして心から喜びたい。
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