高知新聞に連載が始まった頃からずっと気になっていて読みたかった作品。
有川さんの地元・高知愛に溢れた素敵な作品。
「おもてなし課」から『観光特使』を依頼された作家・吉門=有川となり、
読者は有川マジックによってどんどんと高知に行ってみたくなってくるw
箱物行政になりがちな観光政策だが何も無いことを売りにしてしまうというこの姿勢は面白く、
地方観光行政に携わっているお役人の方々、必読ですよ!
各地方自治体の観光に関わる方々は、是非、読んでみるべきです!
たぶん、目からウロコでしょう。
ウミガメの産卵?、そんなものは何処ででも見れるが…と言った彼らのように…。
こんなふうに書くと何だか硬そう…と思われてしまいそうですが、いえいえ、有川さんのラブ要素もちゃ〜〜んと入ってます。
掛水くんと多紀ちゃんのじれったい恋愛進行具合にイライラさせられたり、
馬路村のオヤスミのシーンは身悶えしてしまうことでしょう。
かわいい多紀ちゃんと、ネコ科肉食獣・佐和さんの対比も実に面白く、
シアターの鉄血総裁を彷彿させてくれる吉門の「バカか、あんたらは」ぶりもファンには楽しい。
有川さんらしい巻末のあとがきやインタビューから、あの「パンダ招致案」をぶちあげた清遠のモデルが
有川さんのお父様だったとは…w
キャラクターが生き生きと動き回る有川作品ですが、本作は実在の方々がモデルとして登場しているので、
いつもよりも更にキャラが生き生きと動きまわり、小説とリアルの両方を楽しめたように感じます。
キャラが楽しい有川さん、この作品、ただひとつだけ残念だったのは
楽しみにしていた新聞連載時に挿絵を描いていた大矢正和さんのイラストが見られなかったこと。
ウチダヒロコさんのカラフルな装丁もとてもキュートだけど、
シアターでもタッグをくんだ大矢さんによるキャラの絵が見られないのが哀しかった…
地方新聞購読の有川ファンの方々、切り抜きをして綴っていたりするんだろうな〜、全く羨ましい限りです。
最後にあとひとつ、高知県おもてなし課のHPを拝見させていただいたのですが、
まだまだ民間の目から見ると見づらいです。
おまけに有川さんのこの小説の発売のことが載ってませんよ!
これって不平等になるから?せっかくの有川さんの地元応援だというのにとても残念です。
地方を応援したいという気持ちで書いた作品だからこそ、
『県庁おもてなし課』で発生するすべての印税を東北地方太平洋沖地震の被災地に寄付することにされたと
ご自身のブログ「有川日記」に書いていらっしゃいました。
私もこの思いに賛同させていただきたく思い、いち早く購入させていただきました。
有川さんの思いが多くの人の心を動かし、この波紋が更に大きく広がり、被災地に届きますように…