看護師の過酷な労働のルポはもちろん、様々なデータが紹介され説得力のある一冊だと思います。筆者は「自分が救急搬送された時を想像してみてほしい」と問いかけます。本書で書かれている16時間以上の夜勤を行う看護師は休憩時間もろくにない。そんな病院に安心して入院できるはずがありません。病院に2交代夜勤が広がり、その2交代とは16時間という長時間労働だということを知り、問題だと思いました。そのリスクは大きいはず。看護師の過労死や過労自殺の問題も深刻です。きっと知らないだけ、知らされないだけで、調査が入ればもっと多いのではないでしょうか?そして何より、看護師なのに、安心して出産できないという大きな矛盾に憤りを感じます。医師の報道はセンセーショナルですが、看護師の問題にもっと注目していかなければならないと痛感しました。
訪問看護の話も、切なくなるばかりです。家族に迷惑をかけたくないから、「早く死ぬ方法を教えて」と言われる看護師。こんな社会でいいはずがありません。高齢者が増えていき、看護のニーズが高まるなかで、今の状況では人生の最期に不幸が待っているようです。「看護崩壊」の現実を知り、社会問題化することを願ってやみません。筆者の他の著作も読んでみようと思います。