看護師は心の支えになれない。悲しいけれども、それは事実です。いざというときに患者さんが精神的に頼るのは、たまたま出会った医師や看護師ではなく、長年付き合ってきた家族や友人なのです。
しかし、考えようによっては、そうした無力感を持っていてこそ、私たちは嫌な奴にならなくずにすむのかもしれません。人の世話をするという仕事は、ややもすると世話をされる側より自分が優位に立った気になってしまうもの。独善的で、傲慢な人間にならないためには、精神的援助なんて所詮自分には出来ないと思っているほうが、いいんじゃないかという気もします。
そしてその無力感をかみしめつつも、なおも何か心を尽くそうとする誠意を持つこと・・・。それが私なりの、看護師の仕事に対する美学なのです。