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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
不覚にも涙がこぼれた・・・,
By レビューア "小五郎" (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 看取りの医者 (単行本)
人の生き死にについて書かれた本を読んで、涙をこぼしたのは久しぶりだ。鎌田實医師の「がんばらない」以来だろうか。そのため、ついレビューを書きたくなった。この平野国美医師の「看取りの医者」は8つの実話から成っている。オビには9つと書かれていたが、第9話は総括的な話で、全体のまとめみたいなものだから、実質8話である。 しかし、その1つ1つが強く胸に訴えかけてくる。特に、年老いた夫婦の夫婦愛は、若い男女の愛とは違って、かえって純粋な形に昇華され、人生の最期を静かに、悲しく、しかし豊かに、締めくくるものとなっていて、著者の「自宅で死のうよ」という呼びかけが心に染み入る。 国美は「くによし」で、男性医師である。おもしろいことに、この医師は白衣を着ない。普段着で訪問診療をしている。高齢の患者にズケズケとものを言ったりする一方、患者の家庭の事情を詳細に把握していて、親身になって診療してくれる人らしい。昼夜を問わぬ往診で患者中心の医療の様子がうかがえて、老後はこういう医師にホームドクターとして来てもらえたらいいなと思った。 患者との付き合い方が深いのである。 大きな病院に限らず、普通の医院(診療所)の医師でも、これほど患者の家庭と深くかかわる医師は、最近は見たことがない。昔の「かかりつけの医者」はこんな感じだったんだろうなと思わせる。 それぞれの患者、それぞれの家庭には、さまざまな事情がある。しかし、人間として、最後は家族に囲まれ、看取られながら死にたい、という人は多い。一見ありきたりの人生を歩んできた人のように見えても、じつは人それぞれのドラマがある、ということを、この本は教えてくれる。 その人生ドラマを読んでいるうちに、話に引き込まれ、不覚にも涙がこぼれたのである。私も「自宅で死にたい」と思った。
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
感銘いたしました,
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レビュー対象商品: 看取りの医者 (単行本)
地域の中核病院の勤務医です。病院で生きるということが病院で死ぬということと同義であるように、自宅で死ぬということは自宅で生きるということと同義であると思います。登場する患者、家族、医療者に敗北感はなく、むしろ希望さえ感じられるのは、この本が「死」ではなく「生」の記録だからです。大変に感銘いたしました。
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ブラックジャックの世界なら,
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レビュー対象商品: 看取りの医者 (単行本)
読み進んでいくと、なぜか「まあだだよ」(黒沢明監督)、「大病人」(伊丹十三監督)など「最期」をテーマにした映画のシーンと重なり合う。一人の医師によって、こんなに穏やかで人間的な死を迎えることができるのかと、ただただ驚くばかり。 「看取り」と「治療=延命」というどこまでも並行するテーマにこの一人の医師、平野氏が悩み苦しみながら立ち向かっていく姿が、生々しく描かれている。 漫画「ブラックジャック」の世界なら、ドクターキリコに軸足をやや置いたスタンスか。それでも患者のためを思う情熱は、ブラックジャックに負けていない。 高齢化社会が急激に進んでいく日本の方向を探るガイドラインともいえる一冊で、鳩山総理や長妻厚労相にもぜひ読んでもらいたい。
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