近代幕開けの前夜、デカルトは信仰と科学の折衷をつけた。いまや数学の明証性は普遍性をうしなえど近代化の動因のひとつとなった彼の(想像による)思索と道徳論は現代に大きく影響を与えている。デカルトの打ちたてた思想がすべてだとは思わない。けれど一読の価値はあるんじゃないか現代人だからこそ。とはいえ理性、悟性、感性、形相因とかいった現代人が出会わないような用語を注釈もせず放置しておくのはちょっと承服しかねるところ。
思想は難解さをみせびらかすところじゃないんだからできるだけわかりやすくしてほしいところ。そうじゃなきゃ中公クラシックスって銘打って復刊することもなかったでしょう。翻訳は白水社のほうがしっかりしています。岩波文庫は三木清訳と銘打っていますが学生時代のもので目もあてられません。古典に触れるのも骨が折れますができるだけわかりやすい翻訳から入ってしっかり理解するのが大事だと思います。