昨今、地球温暖化問題が巷の会話にも登場するようになり、環境問題
の中でもメジャーな話題となってきた。しかし、かつての節約的イメー
ジの省エネ対策とは趣を異にしている。
大量生産大量消費から必要十分な生産と消費に抑える努力は極めて重
要なことであるが、国民の努力だけでどの程度の温室効果ガスの削減が
できるであろうか?
メディアが注目する地球温暖化防止対策は数多くあるがどの技術にど
の程度の効果があるか、誰も論じてはいない。京都議定書の約束は後わ
ずか数年と目前に迫っている。
本書は、京都議定書の目標達成のための手段として「ヒートポンプ」
に大きな期待を寄せている。ヒートポンプという言葉は一般にはなじみ
が薄いが、実は我々はヒートポンプが導入されている家電機器をすでに
沢山使用してきているという。
例えば、エアコンや冷蔵庫である。これらに導入されているヒートポ
ンプは近年の技術革新によって著しく効率が高くなり、省エネ的になっ
ているらしい。
また、「エコキュート」という名で呼ばれている省エネ給湯機は、実
はヒートポンプが利用されているというのである。
そして、家庭やビルでは、このような冷やす、温めるに使われるエネ
ルギーが全体の約6〜7割を占めるので、そこでの対策こそが最も効果
的という訳である。ヒートポンプが期待される所以だ。
シミュレーションなどの結果を判りやすく、それも個人個人で取り組
める視点で説明している。本当に効果がある対策とは何かが簡単に理解
できる画期的な論著である。
併せてヒートポンプの原理を図解で紹介した「図解ヒートポンプ」も
お勧めしたい。