読む前の焦点:
個人が法人に譲渡した時の譲渡益が最大の問題であり、そのために、現物出資も
できずにいるのが現実だが、その点についてどう解説しているのだろう。
ポイント:
(1)専門家向けポイント
上物だけを法人に譲渡、または、法人が上物を建てる。そして、「土地の無償
返還に関する届出書」を提出する。こういうスキームがあるということだけは押
さえておく必要があるだろう。
ただ、この方法を40年前から取り入れている事例も多く、目新しいというわけ
ではない。
私だったら、法人税率の低減(の見込み)を機に、提案してみたい。
(2)一般の方向けポイント
本書は、メリットが際立ってきた法人化の説明、法人が建物を買い取ることの
メリットを丁寧に解説してある。土地・建物を所有する方は一読されることをお
勧めする。
読後コメント:
相続評価額の評価減を念頭に置くと、つい、土地を法人に持たせると評価額も
低く、法人のメリットも使えると考えてしまう。
それに、建物だけだと、そもそも評価額が低いので、相続税についてのメリッ
トが薄い気がする。
しかし、なるほど、税務署OBの著者が指摘するように(OBでなくてもかま
わないが)、建物だけを法人に譲渡する(あるいは、法人が建物を建てる)とい
うスキームは、節税上メリットが大きいことがわかる。
法人化後の運用としては、非課税所得の解説を挙げるところだろうが、そのあ
たりが薄かった。もっとも、それだけでひとつのテーマとなるので、いたしかた
ないか。
前回のマンションラッシュが昭和50年代(1975年〜1985年)だったから、2012
年以降、マンションやテナントビルの建て直し検討が増えてくるだろう。
顧問税理士がアドバイスをくれないならば、読まれることをお勧めする。