内容紹介
「はじめに」より
財産と相続人の幸せは比例するとは限りません。親の財産をもらうのは当たりまえだと、多い少ないと、比べるところから相続人の不幸が始まります。
相続の本質や、相続対策の目的と手段を取り違え、相続を失敗し、不幸になってしまう人は少なくありません。
借金が相続税を減らすと錯覚を起こし(させられ)、安易な借金で目先の節税対策。そして、デフレする不動産、デフレせぬ借金、あげくのはてには債務超過で相続放棄せざるを得ない相続人。
税理士なら誰でも同じと思いこみ、適切な専門家を選ばず、不適切な土地評価で、相続税を払いすぎてしまう相続人。
「感謝の気持ちと譲る心」を忘れ、親の財産をもらうのは当たりまえだと、相続を争族にしてしまい、家族の縁を永久に切ってしまう相続人。
相続の本質を見失い、本来は幸せになるべき相続で不幸になってしまう人たち……。
たとえわずかでも、親に感謝し相続したお金は「生き金」になります。もらうのは当たりまえと、争いながら相続したお金は「死に金」となります。人は「死に金」では幸せになれません。これは相続の本質です。
相続に特化した一介の不動産屋として、多くの相続をお手伝いしながら、相続の世界を知っていくうちに、大きな疑問にぶち当たりました。
財産と相続人の幸せは同じ方向を向くとは限りません。だが、プロと称するほとんどの人は、この本質を見極めず、同じ方向を向くとの前提で仕事をしてしまいます。相続人にしてもしかりです。
相続の本質を一人でも多くの人にわかってほしい。また、法律や税法は一般にわかりづらいものです。まして現場での実務や心の部分は本に書いてありません。
目線を下げ温もりのある文章を、心をこめて書いたならきっとわかってくださるのは、そんな想いで書き続けてきたのが野口レポートです。
挫折しそうな時もありました。だが、読者様の励ましや自分の信念のもと、一歩一歩を積み重ね平成8年の創刊号から160号までを毎月1回13年間続けることができました。
そして昨年(平成21年)3月には第1号から第87号までを『心をつなぐ相続』として出版することができました。
本質を忘れ自分を失い、相続で不幸になってしまう人も数多く見てきました。人はお金だけでは幸せにはなれません。相続人にとって一番大事なものは何か、そこに気づいてほしい。88号から後半にはそんな想いが詰まっています。
今回、相続実務学校・野口塾100回を記念して塾生の皆様が寄せてくれた記念文集を合わせ、「野口レポート後半部分」を出版することができました。
内容(「BOOK」データベースより)
五十路を前に親の代から30年間続けてきたガソリンスタンドを廃業し、180度の転換で不動産業を開業した。他人は華麗なる転身と言ってくれたが、相続に特化した不動産屋を目指し、死に物狂いの転身であった。相続の本質は人の幸せである。そして、財産と人の幸せは同じ方向を向くとは限らない。この本質を見極め相続人を幸せに導くのが真の実務家である。相続は、人と人との心をつなぐヒューマンビジネス。人間力が求められるこの仕事は、天が与えてくれた天職である。