かつてテレ朝系の〈土曜ワイド劇場〉で放送されたプレシーズン版《相棒 警視庁ふたりだけの特命係》全3話を小説化した文庫書きおろしです。
わたしはこのシリーズが好きでほとんどテレビ放送で見ていますが、初期の二時間ドラマの頃はまだ見ていなかったので、主人公の杉下右京と亀山薫の出会った経緯を知りたくて読みました。
各話80ページ弱にまとめてあって、映像ソフトを見るよりも短時間で読めてしまいます。
でも、残念だったのは、ノベライズを担当した碇卯人という覆面ライターの文章がやっつけ仕事でお粗末なこと。
輿水泰弘のシナリオは、人物造形がきわだっていて会話のリズムがすばらしい。ミステリとしての展開も意外性に富んだ逸品だとおもいますが、今回のノベライズで下請けライターが再構成して書き足した地の文に無駄が目立つ。心理描写や説明のしかたが拙い。
かりにミステリの新人賞にこれを応募したとしたら、おそらく二次予選であっさり落とされてしまうでしょう。
ノベライズだからといって読者を甘く見ないでもらいたいものです。
いっそのこと、輿水泰弘のシナリオをそのまま出版したほうがすっきりしていて楽しめたのでは、という気がします。