※ネタバレ含みます。
相棒シリーズ10周年記念作品。
この手のTVシリーズの劇場版は日本人の悪癖とも言える
『折角の映画なのでスケールを広げよう』
として設定・脚本が破綻する事がよくあります。
前作の劇場版は新しい客層を獲得する為に和泉監督は自身が好きなモブ(群衆)シーンを取り入れたスペクタル作品にしました。
対して今作は全く真逆である相棒の十八番『警察内部もの』となっています。
前作がエンターテイメントを意識した作品なら
今作はテーマ性に特化した作品です。
その為、派手なアクションやコミカルな笑いを期待する人に不向きです。
ですが私はこの作品はマンネリ化しつつある邦画界の中では一際輝いている作品だと思います。
考えれば相棒作品は他のTVドラマには無い圧倒的な情報量と
徹底した設定や脚本で視聴者を魅了してきました。
その10周年記念作品ともなればスタッフの熱意は相当なものでしょう。
脚本に相棒の生みの親・輿水氏を起用した事により、相棒の持ち味である社会派エピソードをする事により、広げた風呂敷をちゃんと畳み込む内容となっております。
全く破綻しておりません。
そして何より重要なのが相棒ファンにとって大切なある人物の最期が描かれている事。
現在進行形のドラマでTVシリーズのレギュラーが退場する劇場版なんて聞いたことがありません。
そこにスタッフの『ただの劇場版のままで終わらしたくない』と言う熱意が感じられます。
また音楽もお馴染みの池さんが担当しています。
この映画は、最高のスタッフとキャストが集結した奇跡の作品です。
是非、一人でも多くの方に日本にこれほどの社会派刑事作品があったのだと知って貰いたいです。
自信を持ってお薦めします。
最後にこの映画のラストが中途半端に終わったと思う人も居たはずですが、私は素晴らしいタイミングで終わらした和泉監督に拍手を送りたいです。
最後まで描いていたら普通の映画になっていましたからね。
あの絶妙なタイミングでエンドロール突入の演出は神がかっています。
相棒ファンは勿論、初見の方も是非。
小野田官房長、大好きでした!!