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初めての「サツ回り」で、緊張して取材相手の警察官に挨拶すらできない状態から、工夫を重ねて信頼を築き、やがて情報をもらえるまでにいたったこと、事件・事故の現場リポートで、書いた文章をそのまま読み上げることへの疑問から「自分の言葉」を探ったこと、ニュースキャスター時代に目線をどこに置いて話すかや、「全体像」をどうやって見せるかに腐心したこと…。エピソードにはみな、報道現場に特有の緊迫感が流れている。
そこから得た方法論として、相手と話しやすくするための「共通体験」づくり、「つかみ」や「息づかい」などのテクニック、聞く人の知りたい順に話す工夫などのほかに、あらかじめ自分の頭の中で「絵」を描いて説明する、まず「言葉にする」ことで考えを整理するといったアドバイスも示している。
「週刊こどもニュース」で「わからない」を連発するこどもに向き合った経験から、相手は何を知らないのか、この話し方でわかってもらえるのか、本当に伝わっているのか…という「自問自答」や「相手への想像力、相手への思いやり」の大切さを痛感したという著者。その真摯な姿勢から、伝えることの真髄が学べる。(棚上 勉)
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たとえば、地方記者時代に警察での数々の失敗から学ぶところが、読み手に「共通体験」を呼び起こし、「具体例」を提供し、「解説」なり「解釈」を提供する。
数々の事例から浮かび上がってくることは、やはり「気持ち」の問題だろうか。「思いやり」といってもよい。話者の一方的な「思い込み」ではない。「わからん!」と言ってもらうキャッチボールのなかから、「思いやり」は生まれるのだ。
最初の、「サツ回り」で刑事と仲良くなった体験は、実は本書全体を流れる通奏低音だっただろう。「やりとり」や「仲良くなる」ことが、言葉の基本である。
池上さんのお話はとてもわかりやすいが、文章もわかりやすい。どうすればこんなに「わかりやすく」なるんだろう...。そんな私の疑問に、池上さんがこの本で答えてくれました。この本を読むと、池上さんの「常に聞き手の立場に立って話をする」姿勢や、それに対する努力が伝わってきます。この本も読者の事を考え、私に話し掛けるように書かれてあるのでわかりやすいのですね。
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