まだ私が20代のころに著者の本を読んだことがあった、タイトルは定かでないが、私の理解力と知識の乏しさから当時はよくわからず、いつの間にか無くしていた。最近還暦を迎えて、再度著者のこの本(以前の本とは別の本)に出会い熟読してみて驚いた。私の物理科学への理解力や知識がある程度備わってきたせいだろうか、すらすらと頭に入ってくるようになっていた。宇宙の3次元の曲がりとそれに伴う赤方偏移現象の発生からビッグバン理論の終焉、重力の正体とその全方向性歪圧による万物球体形成のゆえん、真空を埋め尽くすダークマターやダークエネルギーの正体への洞察、光速度を超える粒子の存在等による高速度不変の理論(相対性理論)の破綻など、ひとつひとつが強い説得力をもって迫ってきた。まさに驚きの連続で、はらはらどきどきと大変な興奮を感じながら読了した。驚くべきことは、これらの謎が事実として最近になって観測される30年も前から主張(予言)されていたとは、まさしく、これは永遠の名著だといえるのではないだろうか。あらためて著者の洞察力の深さに敬意を表さずにはいられない。
また、宇宙の生成の謎を知ることは、単に科学的物理学的な唯物論の問題にとどまらず、「宇宙の人間原理」にみられるような、この宇宙を形成しあらゆる物質の構成とその運動を精妙な構造の中に維持している、その奥に隠されたさらに大きな万能的なパワー(非認知の存在)が予測され、最終的には自分自身の存在理由や生きる意味を知ることにもつながる問題でもあり、この問題に苦悩する多くの若い読者にも是非お奨めしたいと思います。