「月曜日、火曜日は大好きなゴルフを楽しみ、水曜日、木曜日はクルーザーで
釣りを楽しみ、週末は家族や友人を別荘に招いてバーベキューを楽しむ」。 そ
のような「楽しい人生」に憧れない人などいないでしょう。マーケットは我々ト
レーダーに大金を得る機会を与えてくれます。その大金は誰にも干渉されない自
由な人生を謳歌するのに十分な金額です。
しかし当然のことですが、誰でもトレーダーとして成功するわけではありませ
ん。それどころか、夢や希望を持ったトレーダーの多くは大金を失い、希望は絶
望に変わり、まるで夢から覚めたかのようにマーケットの世界から去っていきま
す。なぜ、マーケットはブラックホールの如く、トレーダーのお金をいとも簡単
に吸い込んでしまうのでしょうか?
私たちが社会で何かしらの欲を満たすために生きているのと同様に、トレー
ダーも何かしらの欲を満たすためにトレードをしています。実は、この「欲」こ
そ多くのトレーダーが破滅する大きな原因のひとつなのです。 誰でも初めての
トレードは緊張して怖かったはずです。無欲で謙虚だったはずです。初めてのト
レードで勝つトレーダーが意外にも多い事実は、何もそのトレーダーの相場観が
正しかったという理由だけではありません。無欲であり、謙虚であり、緊張して
怖かったからなのです。
しかし悲しいかな、人はどんな状況にでも慣れることができます。恐怖心はい
つの間にか消え、トレーダーは謙虚さの欠けらもない強欲の固まりになります。
勝ったときはもっと勝ちたい、負けたときは必ず取り返したい。そんな気持ちが
強くなりすぎると、ポジションが逆に進んだときに、ほんの少しの損切りもでき
なくなってしまいます。
勝つトレーダーは勝つ思考法を身につけています。これは単純ですが深く
本質的です。今まで負けていたトレーダーも「勝つ思考法」を身につけることで
「勝つトレーダー」になることができるのです。
しかし、甘く考えてはいけません。教科書で速く泳ぐ方法を学んだところで、
実際に泳いで速く泳ぐ方法を身につけない限りは速く泳ぐことなどできません。
「知っていること」と「できること」は違うのです。あなたが現在「負けてい
る、もしくは大して勝っていない」普通のトレーダーなのであれば、勝つ思
考法を身につける前に、「負ける思考法」をひとつずつ変えていかなければなり
ません。
これは簡単なことではありません。あなたが変えなければならない「負ける思
考法」は、たった今まであなたが正しいと思ってきた「勝つ思考法」である可能
性が極めて高いのです。本書を読み進めていくうちに、今まであなたが築き上げ
てきた「自己」を自らの手で否定しなければならなくなる場面に度々遭遇するで
しょう。あなたはこの苦痛に耐え、真の勝者となることができるでしょうか?
(「はじめに」より)
あとがき
2004年の暮れ。コートが必要な寒い冬の季節。外国為替市場は円高ドル安
が進行し、1ドル100円を割り込もうとしていた。当時の日銀幹部や政府要人
は円高に歯止めをかけようと必死で、「急激な変動があれば適切な措置をとる」
との"介入をほのめかす"メッセージが毎日のようにロイターやブルームバーグ
で流れていた。テレビの経済番組を見ても、インターネットのマーケット情報欄
を見ても、出てくる言葉は円高、円高、円高。1995年につけた1ド
ル79・75円を超える円高になるのではないかと言うコメンテーターも出てく
る始末。誰もが「1ドル100円割れ」を信じて疑わなかった。
そういう状況の中で私はドル円を買っていた。理由は、あまりにも多くの人が
1ドル100円を割れると信じていたからだ。全員が同じ方向に傾いているとき
にマーケットが反転することを私は経験から知っていた。私は1ドル103円く
らいのところを買い続けた。しかし、市場の雰囲気は完全にドル売り。当時、勤
めていた会社では、多くの同僚が私の行動を"馬鹿げている"と嘲笑した。また、
どの著名アナリストのセミナーに行っても、彼らの言葉は基本的にドル売り路
線。私はまるで世界中のトレーダーを敵に回したような、実に寂しい気持ちでド
ル円を買っていたことを今でも記憶している。 いくら自分の相場観に自信が
あったとしても、当時の状況で1ドル103円の買いポジションをホールドし続
けるのはあまりにも危険すぎた。マーケットはいつ急落して1ドル100円を割
れてもおかしくない状況。もし本当に1ドル100円を割れれば、一気に急落す
るのは目に見えていた。私は、小さく損切りを繰り返しながら買い下がった。少
なくとも20回は損切りをしたと思う。それでも私は気力でドルを買い続けた。
しかし、限界は近かった。私の気持ちは今にも折れそうだった。頭の中は
「自分の考えは間違っていたのだろうか?」という迷いで一杯になった。度重な
る損切りが精神的にも金銭的にも私を追い詰めていた。そして、ドル円が10
1・70レベルまで下落したとき、私の気持ちはついに折れた。そう、諦めたの
だ。私の買い相場は負けで終わった。
2005年1月17日。この日は私にとって2つの"記念日"となった。ひとつ
は私がドル円の買い戦略を諦めた日。もうひとつはこの日をさかいにドル円が上
昇局面に転換した日。何を言いたいかわかるだろうか? 簡単なことだ。私は"
ど安値"でドル円の買いポジションを手放してしまったのだ。私の予想は見事に
当たった。しかし、お金は増えなかった。最後の最後でポジションを持っていな
かったからである。
2006年12月、外国為替市場は1ドル115円前後である。"あの日"我
慢していれば今ごろは......
いただければと思う。当サイトでは、微力ながら売買シグナル配信のサービスも
手掛けている。何かしらのお役には立てるかもしれない。
2007年1月吉日 山口祐介 --このテキストは、 CD 版に関連付けられています。
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28 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
最後の最後でガッカリ,
By
レビュー対象商品: 相場で負けたときに読む本 ~真理編~ (現代の錬金術師シリーズ) (単行本)
当たり前と思っていたことが、負ける原因になっていたなど、考えさせられることがたくさんあり。少しずつ今までの常識を変えていこうという気にさせてくれた。 ただ、本中で、相場の難しさを延々とといてきたのに、 あとがきの最後の最後で、「システムトレードはすばらしい。」、「メンバーにならないか?」 にはガッカリ。 一気に説得力がなくなった気がしました。
13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
同じ内容の繰り返しばかり,
By こん太郎 (福島県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 相場で負けたときに読む本 ~真理編~ (現代の錬金術師シリーズ) (単行本)
投資で負けたわけではないが、タイトルが面白そうだから読んでみた。内容は'@自分なりのルールを作る、'Aそれを忠実に守る、'B損切りの重要性などを中心に書かれていたが、特に新しい知識を得る事はできなかった。 それに、200ページ以上あるのに何度も同じ事を書いていて読んでいてくどく感じた。20〜30ページでまとめられる内容だと思う。同著者の「投資で負けたときに読む本〜実践編〜」合わせても読んだが、残念ながら書かれている内容はほぼ一緒。2冊読む必要はない。 ただ、'@'A'Bとも大変重要で実際の勝ち組は必ずやっていることだから基礎として初心者は是非読んでみるといいと思う。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
トレーダーの心理学?,
By JRL (日本) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 相場で負けたときに読む本 ~真理編~ (現代の錬金術師シリーズ) (単行本)
トレーダーの心理学について訳知り顔に語るのが流行っているようだ。「ゾーン」しかり、本書しかり。 このテーマについて科学的なアプローチを比較的きちんと行っている分野が行動ファイナンスである。行動ファイナンスが解き明かしたひとつの結論。 1)人間の心理というものは、損失が出ている局面では楽観的に、利益が出ている局面では悲観的になるという非対称性が見られる。 2)このため、早すぎる利益確定を行い、損きりは先延ばしにする習性がある。 3)こういった行動パターンは長期で見るとマイナスの期待値を呼び込むので修正する必要がある。 といったことである。 ジェシー・リバモアが100年前から言っていたことなのだが これを実験で検証したことに行動ファイナンスの真価がある。 さて、流行の「トレーダーの心理学」をまとめると、本質的には「これだけ」である。 本作を読んでの感想は、46ページの小題「何事も起こり得る」など、 借り物の内容?と思われる箇所が少なからずあった。 (ちなみに上記のフレーズは「ゾーン〜相場心理学入門」223ページに、 一字一句違わないフレーズが書かれている) 作者のオリジナリティが感じられないので、この評価とさせていただきます。 【追加】 唯一、良かった点。 『利食いドテン』は辞めた方が良いという指摘、 『損切りドテン』は筆者も良くやるというアドバイスは ちゃんと相場を張っている人間の書くことだと感じた。
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