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相剋の森 (集英社文庫)
 
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相剋の森 (集英社文庫) [文庫]

熊谷 達也
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

秋田のマタギ親睦会で、クマ狩りを疑問視する発言をし波紋を呼んだ女性編集者。山は半分殺してちょうどいい…。動物写真家の言葉をきっかけに、マタギ取材に乗り出すが。自然と人間のあり方を問う意欲作。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

「山は半分殺してちょうどいい―」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。山を殺すとは何を意味するのか?人間はなぜ他の生き物を殺すのか?果たして自然との真の共生とは可能なのか―。直木賞・山本賞受賞作『邂逅の森』に連なる「森」シリーズの第一弾。大自然と対峙する人間たちを描いて感動を呼ぶ傑作長編。

登録情報

  • 文庫: 552ページ
  • 出版社: 集英社 (2006/11/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087460967
  • ISBN-13: 978-4087460964
  • 発売日: 2006/11/17
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
本書は、’04年上半期「第131回直木賞」を受賞した『邂逅の森』とほぼ併行して書かれ、3ヶ月ほど先行して発表された姉妹編である。
『邂逅の森』が、大正年間を中心とした東北の旅マタギ(クマ猟師)の青年、松橋富治の波乱の半生を描いた作品だったのに対して、本書は現代の東北地方における、彼の曾孫に当たる世代のマタギたちと自然との葛藤を描いている。

仙台のタウン誌の編集長をつとめる佐藤美佐子は秋田県で開催された「マタギの集い」に取材で参加して、「今の時代、どうしてクマを食べる必要性があるのでしょうか」と、素朴な発言をして参加者たちから冷たい視線を浴びる。そして閉会後、彼女はあるフリーの動物カメラマンから「山は半分殺(の)してちょうどいい」と告げられる。それは何を意味しているのだろう・・・。やがて恋人と破局してタウン誌を辞め、フリーのライターとなった美佐子は、この言葉を理解しようと本格的な取材を始める。

里におりてきたクマを捕獲し、発信機を取り付け再び山へ戻す活動をしているNPO法人、一方でそうして捕獲したクマを「有害駆除」の名目で射殺せざるを得ない役場の立場、「有害駆除」の許可が下りなければクマ狩りができないマタギたち、動物愛護・自然保護団体からの抗議。取材を重ね、答えを模索する美佐子は、やがて新潟県の山奥の集落でマタギの頭領をつとめる滝沢を訪ねる。

現代のマタギたちの生活を肌で取材するうち、美佐子の内に、彼らに対する親近感がわいてくる。クライマックスは彼女が実際に春のクマ狩り「巻き狩り」に同行し、マタギたちと共に猟場である過酷な自然に身を置く場面である。ひとり道に迷い、山中に取り残された美佐子が見たものは・・・。

タイトルの『相剋』とは、「両者が互いに勝とうとして相争うこと」(広辞苑)であるが、本書は、美佐子の目を通して、現代に生きるマタギたちの姿を描き、今、東北の森で実際に起こっていることを活写することにより、「自然との共生」などとは簡単に言い切ることのできない人間とクマ・森・自然との関わりを問いかけている。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kouich-t VINE™ メンバー
形式:文庫
熊谷さんの作品は、『漂泊の牙』『ウエンカムイの爪』に続き、個人的には3冊目になるのですがこれは面白い。久々に自然保護とか環境保護のあり方を真剣に考えさせられつつ、それでいてストーリーの展開も引き込むものがあり分厚い文庫本ながら一気に読み終えました。

自然との共生ではだめなのだというあたりを、是非とも読み取ってもらいたい作品。自然保護や環境保護は白か黒かを決めることではなく、生きていくことを考えるとグレーにならざる得ないといったことを考えさせられます。

個人的には、限りなく白に近いグレーでありたいとは思うのですが。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 汲平 VINE™ メンバー
形式:文庫
里へ下りてくる熊とどう向き合うか。

それを国の林業行政の貧しさだと、評論家的に片づけてしまうのは簡単だが、それではあまりにに安易です。

登場する動物愛護団体も、マタギの村の人々も、動物写真家も動物学者も、それぞれがそれぞれの立場で、自然の中で生きるというのはどういうことなのか、ということを真剣に問いかけています。

最後のマタギの熊狩りの描写は読んでいると息苦しくなるほどの迫真性です。

主人公の最初は生硬だった考えが崩されていく課程は、多くの日本人にとって共感できるものではないでしょうか。

もちろん、一朝一夕に結論の出る問題ではなく、作者も結論について語ってはくれません。自らの頭で、いや、自らの手足を駆使して全身全霊で考えるしかないのだと言うことを訴えます。

自然と切り離されて都会に生きる人こそ、読んでいただきたい、もう一歩進んで読むべき作品だと思います。
このレビューは参考になりましたか?
最近のカスタマーレビュー
読者が期待する事、いちばん読みたいと思う事から逃げないで。
 現代に生きるマタギたちを題材にした作品。

 「山は半分殺(の)してちょうど良い」... 続きを読む
投稿日: 2008/5/29 投稿者: 夏海笑
自然保護の在り方について考えさせられる小説
「邂逅の森」「ウエンカムイの爪」に続く物語のようです。邂逅の森は読んだことはないですが。... 続きを読む
投稿日: 2007/12/5 投稿者: あきぴー@武蔵国
正直…読みながら涙が流れました。
本の中で物語の起点となっているのが、
「山は半分殺してちょうどいい」という、現代に生きるあるマタギの言葉でした。... 続きを読む
投稿日: 2007/1/17 投稿者: soralisfran
邂逅の森の方が深いなぁ
「山背郷」を熟成させたのが「邂逅の森」。「相克の森」は純粋なオリジナル。... 続きを読む
投稿日: 2006/5/8 投稿者: ぽんきちろう
「山は半分殺(の)してちょうどいい」の意味するところは・・・
本書は、’04年上半期「第131回直木賞」を受賞した『邂逅の森』とほぼ併行して書かれ、3ヶ月ほど先行して発表された姉妹編である。... 続きを読む
投稿日: 2006/5/3 投稿者: Wakaba-Mark
厳しく評価
 「漂泊の牙」で開花し、「邂逅の森」で完成した熊谷文学が何故に…?... 続きを読む
投稿日: 2005/8/17 投稿者: 甲山筆夫
あの言葉に対する理解と答えを見つけてください
熊谷達也さんは東北などを舞台に、
自然と人間の関係のあり方をテーマにした作品を多く書かれている方ということで、... 続きを読む
投稿日: 2005/7/19 投稿者: 夢追い虫
最高傑作!
「邂逅の森」から時が過ぎ、「ウエンカムイの爪」の少しあとの現代が舞台です。この3作すべて良い作品だとは思いますが、この「相剋の森」が、ストーリー性、全体の構成、心... 続きを読む
投稿日: 2005/2/7 投稿者: kagesan
『邂逅』と『相克』の間
昨日熊谷氏の『相克の森』を読んだ。一週間前に『邂逅の森』を読み、ここのレビューに書いた。... 続きを読む
投稿日: 2004/10/4 投稿者: 山川仙人
現代人の弱さを見事に描写している
山が好きな人間、自然と共生したい人間は、一読する価値がある。... 続きを読む
投稿日: 2004/6/24 投稿者: "celoxtaka"
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