とても面白い。チェスや将棋の類を、さらにメソポタミアや古代エジプトなどの源流からさぐり、どのように世界中に広まっていったのかを追う。多くの資料にあたっておられ、たいへんな労作だと思う。写真などの図版も豊富で、遊び方の図説なども不足がない。
中東に旅行したさいに、現地の人に教えてもらいつつ、バックギャモンで大いに盛り上がったことを思い出した。そのときは欧米からの輸入かと思ったのだが、伝統的なゲームだと言われ、不可解だったのだ。それも、この本を読めば歴史がわかる。
子供のころにはいくつかゲームをして遊んだものの、成人後はとりたててゲームと親しんでいない多くの人にとっては、本書に登場する現代でも遊ばれているゲームにも、珍しいものがあるだろう。また、古代のどうやってコマを動かすのかわからないゲームや素朴なコマを見るのも楽しかった。
内容とは関係がないが、装幀の美しさもすばらしい。カバーは、これも本書中で紹介されている双六の一種で、螺鈿も美しい細工の盤面をモチーフとされているそうだ。