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監獄の誕生―監視と処罰
 
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監獄の誕生―監視と処罰 [単行本]

ミシェル・フーコー , Michel Foucault , 田村 俶
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 単行本: 345ページ
  • 出版社: 新潮社 (1977/09)
  • ISBN-10: 4105067036
  • ISBN-13: 978-4105067038
  • 発売日: 1977/09
  • 商品の寸法: 20.4 x 14.2 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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69 人中、57人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
非常に難解なフーコーの著作にしては珍しく、本書は論点が明確です。とはいえ、『監獄の誕生』というタイトルから抱かれる本書への期待を見事に裏切り、その内容は、規律=訓練社会の誕生とともに形成された現代人特有の人間理解に焦点が当てられています。

本書を手にとれば、「人間とは何か?」、そして「現代特有の身体に対するフェティシズムとは何か?」という根源的な問いに、一定の答えを得られるはずです。くわえて、現代人がいかにせまい視野で自分自身を理解しているのか、という点も、良く理解できるはずです。

単なる入門書的な心理学ものでは体感できない重厚な人間理解・解釈を堪能できる作品として、是非ともお勧めいたします。

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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hanaohanao トップ1000レビュアー
 権力は私たちを刑罰等により強制的に従わせる以上に、内面から訓育する。。一望監視装置パノプティコンこそは、まさに魂の刑罰装置の理念型であり、近代的な病院・刑務所・工場・学校、そして近代社会そのものの姿です。プロテスタンティズムの精神=予定説に親和的な「見られているかどうかわからない」ことによる内面への権力の侵食、まさに革命的な権力の発動形態をフーコーは資料を駆使し提示します。フーコー曰く、近代的権力は二つの形態をとって私たちを管理=訓育します。ひとつは専門家の紡ぎだす言説を経由し、もうひとつはパノプティコン的な視線を経由します。私たちの生き難さを解題する20世紀の古典として気合と根性で読んでほしい本です。
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
主体性の落日 2011/5/13
Amazonが確認した購入
二〇世紀フランスを代表する歴史家で構造主義の旗手である大学者・ミッシェル・フーコーは、本書『監獄の誕生 監視と処罰』において、かつてベンサムが提唱した一望監視装置であるパノプティコンのシステムをヒントとして、「身体刑」から「監獄刑」へ移行するプロセスを概観しつつ、「ひと」の「主体性」の脆弱さを証し立てている。タイトルは「監獄の誕生」なのだが内容的には「ひとのおわり」かもしれない。

この『監獄の誕生 Naissance de la prison』は、副題に「監視と処罰 Surveiller et punir」とあるが、仏語オリジナルでは、Surveiller et punirの方が正題であり、Naissance de la prisonの方がサブタイトルになっている。

「ひと」、この場合は「囚人」のことね、は、一望監視装置のパノプティコンという「監獄」において、「監視」され、あるいは「処罰」をされ、暗黙のルールのもとに、否応なしに均一の挙止を強いられているのである。

「監視」の有する「権力」が、「処罰」をちらつかせながら、「ひと」の身体を繋縛し、本来自由で、不羇で、そして動的であるはずの「ひと」の「主体性」を簒奪し、然る後に「ひと」に対し、それまでとは別のかたちの「主体性」を付与し、「ひと」の行動規範、コードまでをも統べてしまうのである。危うし、「ひと」の「主体性」。

これは有名な話だから、賢明なる諸兄諸姉はご存知のこととは思うが、「主体」は「sujet」というフランス語の訳語である。その「sujet」という単語には、「主体」という意義のほかに、「臣下」や「従臣」という意味もある。また「sujet」に近い言葉に「sujetion」という言葉があるが、その語の意味は「隷属」「責務」「逃れられないこと」などといったものである。そこから分かるのは、「ひと」の「主体性」あるいは「わたし」などといったものは、所詮、何らかの「制度」や「他者」との関連性によってはじめて形づくられるということである。ボーヴォアールは「ひとは女にうまれてくるのではない。女になるのだ」などとうまいことを言ったが、「ひと」もまた、初めから雄雄しい「主体性」や逞しい「自律」的「自我」を有っているわけではなく、「外」からの「力」によってはぐくまれるものなのであろうな。

またフーコーは、この『監獄の誕生』という大著において、「ひと」の「視線」が持つ「力」についても触れているのである。「視線」は「力」を有している。「ひと」は「見られること/見られているかもしれないこと」についてあまりにもナーヴァスなのである。フーコーとほぼ同世代の同じくフランスの哲学者たちも似たことを論じている。。例えばサルトルの「まなざし」も、レヴィナスの「顔」も、ラカンの「鏡」も、そういった「視線」のもてる「力」に関わるものではないだろうか。

誰かに見つめられることで「わたし」が「わたし」らしくなくなる。「わたし」の雄雄しい「主体性」はどこへ行ってしまったのか。

社会学や教育学を学ぶ人だけではなく、哲学史における「わたし」の可能性と限界を考察するのに、必読の一冊である。

※2011年5月14日追記。

この本に興味をもたれた方は、ジャック・ニコルソン主演の「カッコーの巣の上で」をご覧ください。「権力」により奪われた「わたし」を取り戻すお話です。また北川晴一『おしゃれと権力』という書物もフーコーの論考から想を得て書かれたものです。

※2011年5月19日追記。

過日私は「また『sujet』に近い言葉に『sujetion』という言葉があるが、その語の意味は『隷属』『責務』『逃れられないこと』などといったものである」と書きました。それに付け加えて、「assujetissement」という語も紹介したい。「assujetissement」という仏単語には「主体化」「隷属化」の二重の意味がございます。
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