中国に似た不思議な世界が舞台。
各地で水源が枯渇していく中、生きるため人々はあらゆる代償を払い水を得ようとするが―。
エンやジンファなどお馴染みのキャラをはじめ、水を巡る人々が織り成す珠玉のファンタジー第3弾。今回は4話が収録。
水が減らない不思議な水さしと盗賊の因縁を描いた『盗賊の水さし』。
大国に利用され忌まわしい風習に縛られる少数民族を描いた『苦い水』。
水の乏しい町で水売りになった少年の数奇な運命を描いた『浄土の水売り』。
水の豊かな平和な町で突如凶事に見舞われる双子の姉妹を描く『二つの井戸』。
どれも良い話ですが、強く印象に残ったのは『浄土の水売り』。
主人公の少年・サンジンは病気の家族のため、不吉とされる「浄土の水売り」から水を買ってしまい…。
水売りの大人達の強欲さや非情な行いがとてもリアルでゾッとします。
その反面、サンジンら子供達の純粋な優しさが一層際立って見えて切ない。
全体的に暗く重い話ですが救いのあるラストで良かった。サンジンに幸あれ。
私も災害により長期の断水を経験した事があります。
水の出ない生活は何と不便でストレスの溜まる事か…。
水がどれほど大切かを思い知らされました。
この作品はファンタジーだけどリアリティがあります。
温暖化などで地球がおかしくなってきている今、この物語の世界が現実になる日がいずれ来るかもしれませんね。