皮膚の主な疾患について噛み砕いた言葉で解説しています。内容は決してレベルが低くないのですが、おもしろく読むことができます。次のようなことが書かれています。
1 ひどいやけどをすると、角層がなくなるため、水の蒸発が防げず、体液が失われる。だから輸液をして、水分を補う必要がある。
2 角層に細菌、ウイルスを塗りつけたとしても、中に入っていくことはできない。
3 健康な皮膚から有機溶媒で数分間、皮脂や角層細胞間の脂質を抽出すると、白っぽい、かさかさした肌荒れがつくれる。こういう皮膚は水につけると可溶性のアミノ酸類も水に溶け出し、ますます荒れる。強力な洗剤や石けんでも同じような作用を示す。
4 手術前に手を消毒し、殺菌剤の入った石けんで手を洗って皮膚の細菌を減らしてから滅菌手袋をはいても、2時間も仕事をしていると、手の菌はもとの状態にもどってしまう。
5 太陽の光が弱くて、紫外線が弱い北欧などに住む人は、紫外線を遮るメラニンはビタミンDの産生を邪魔するので、色が白い方が生存に適している。短い夏の間に裸になって日光浴をするのも、紫外線が弱く日焼けも起きにくい北国であれば理解できることである。しかし日本の夏や熱帯地方で肌を日に焼くのは愚かなことである。
6 アレルギー性接触皮膚炎は接触しているものを疑わない限り原因はわからない。
7 アトピー性皮膚炎で掻いてじくじくした湿疹のある皮膚面には、健康な皮膚にはすめない病原性の高い黄色ブドウ球菌やβ溶血性連鎖球菌が繁殖する。こういう細菌からはスーパー抗原が分泌されるので、Tリンパ球を刺激し炎症を激しくする。それで環境抗原が侵入しやすくなる。