要妙シリーズの前作「操体臨床の要妙」から約10年、皮膚へのアプローチ法が更に進化した。ここで述べられているのは、皮膚に対する刺激と接触は違う、ということだ。著者は捻るとか引っ張るとかではなく、刺激にならない、皮膚のあそびの範囲内で、そっと皮膚に触れる方法を紹介している。最小限のエネルギーで、最大限の効果を出す、皮膚への接触にはそういう意味が込められている。また、色光現象というあらたな分析法、呼吸法についても述べられており、操体が進化(深化)していることを伺わせる。
今、出回っている農作物は全て品種改良の結果、美味しいものが市場に出回っている。リンゴは品種改良して甘く、美味しく、病気に強くなってもリンゴだ。日本の米が美味しいのは試験場で品種改良がたゆまぬ努力で進められている。だから、私達は美味しいリンゴや、美味しいご飯を食べることができるのだ。
操体も、その本質を変えずに、どんどん良いところは伸ばし、改良していく努力が必要ではないか。
著者は10年以上前から「皮膚」の可能性について書いてきたが、その努力は「楽な方に動かして瞬間急速脱力」という、古典的操体をやっている、あるいは言葉の上だけ「きもちよく」と言っている愛好家(臨床家も含む)にいつ届くのか。
あと10年したら、操体をやっている人間は皆「操体は皮膚だ」と言っていることだと思う。