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皇族―天皇家の近現代史 (中公新書)
 
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皇族―天皇家の近現代史 (中公新書) [新書]

小田部 雄次
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

古代より「天皇の血族」として存在した皇族。明治維新後、最も近親で天皇を支える階級として、軍人の義務と多くの特典を獲得し成立した。だが、自らの権威・特権を背景に、長老の皇族軍人や直宮は、天皇を脅かす存在でもあった。本書は、古代から現代の皇族を概観し、近代以降存在した十五宮家、皇族軍人たちの動向、新たな位置づけを求めた戦後の「皇室」を中心に、皇族の全貌を明らかにする。巻末に詳細な「近代皇族一覧」付。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

小田部 雄次
1952(昭和27)年東京都生まれ。85年立教大学大学院文学研究科博士課程単位取得。立教大学非常勤講師などを経て、静岡福祉大学教授。専攻は日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 458ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2009/06)
  • ISBN-10: 4121020111
  • ISBN-13: 978-4121020116
  • 発売日: 2009/06
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
戦前の皇族の動静を、新書に入る限り詳細に追った興味深い一冊。戦前の皇族は室町時代からの分流である伏見宮系が数十人いて、直宮家と拮抗する勢力だった。直宮家が天皇と極めて近いために天皇の信頼を強く受ける反面、政軍関係で影響力を行使することができなかった。これに比べ、伏見宮系は昭和期に陸海軍総長を出し、多くの部隊指揮官も出している。天皇が、暴走する軍部の統制を期待した皇族総長は、むしろ軍部側の人物として、皇族であることを利用して、軍経験のない年少の昭和天皇を優越感をもって見ることで、軍部の政治的勢力拡張に荷担してしまったようにも、見受けられる。

また、伏見宮系は直宮家と縁遠いこともあり、パリで事故死した永久王、度重なる帰国養成を無視しパリに逗留した稔彦王、宮中に金を無心した邦彦王など素行に欠けるメンバーが少なからずいた。皇室維持に男系男子の増員のため、旧皇族の復帰提案もあるが、増員してもメンバーの生活指導の管理も大変ではないかなという感じがした。

同じ中公新書「華族」の姉妹編と著者自身が述べるが、皇族の顔写真がたくさん入っているほか、外遊歴、学習歴なども一覧表になっていて、前作同様のデータ重視なのがいい。手間がかかっていて労作だと思う。新書という判型では、決定版になると思う。
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モチヅキ VINE™ メンバー
形式:新書
 1952年生まれの日本近現代史研究者が2009年に刊行した本。本書は第一に、古代から現代までの「皇族」の変遷を簡潔にまとめている。皇族の定義は主に大宝令・旧皇室典範・新皇室典範によって変化し、近代以降は明治天皇の実系の子孫、伏見宮家の実系、その女性配偶者を指したが、戦後伏見宮家の系統は皇籍離脱させられた。第二に、本書は天皇と皇族との確執を描いている。とりわけ昭和天皇と閑院宮載仁親王、伏見宮博恭王は戦争中、軍事方針をめぐってしばしば齟齬をきたしている。第三に、本書は皇族に関する醜聞や批判についても言及し、政治的に利用される存在としての皇族を描いている。皇族は天皇の権威を分有しており、それゆえに軍を統制下に置き得る存在であったが、その半面皇族の権威を利用して自己の利益を得ようとする勢力に、つけ込まれる危険性があった。皇族の失態は天皇の権威を傷つける恐れがあり、皇族は失態を暴露しようとする人間にたかられることもあった。また皇族の行啓は地方のインフラ整備に利用された。さらに皇族の慶事によって政治問題が隠蔽されることへの批判もあった。第四に、本書は皇族と戦争責任・戦後和解との関連について指摘する。近代皇族男子は主として軍人としての活動を義務付けられ、戦争責任を負っており、戦後皇室外交の重要な要素として戦後和解という課題が意識された(特に明仁天皇)。第五に、本書は戦後社会の大衆化に伴う開かれた皇室の在り方を支持しつつ、皇室の「市民化」に伴う困難をも指摘する(皇族の存在意義への疑問、雅子妃問題など)。第六に、本書は網羅的に基礎的なデータを図表の形で示しつつ、近代皇族一人一人についての等身大の姿を実証的に描き出している。私は現天皇個人には親しみを感じつつ、天皇制には反対の立場をとっており、その点では本書とずれを感じるが、それでも本書は十分にお勧めできる。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
近現代を中心に、皇室制度の変遷や皇族達の動向をまとめた本。
皇室が近世以前から近代へ、そして、近代から敗戦を経て現代へどのように変わったのかが書かれている。

最も興味深かったのは昭和初期の陸軍参謀総長であった閑院宮載仁親王、海軍軍令部長であった伏見宮博恭王の動向である。

伏見宮は艦隊派を支持し、ロンドン軍縮条約の締結を目指す天皇や天皇側近、政府等の条約派を妨害した。閑院宮も陸軍統制派に肩入れし、真崎教育総監を更迭し、陸軍内部の派閥抗争に参加していく。

彼らは皇族でありながら、天皇の立場を支持せず、軍部の側に立つことを主体的にえらんだ。
従来、お飾りとして考えられがちの両者の主体性を描いた点が面白かった。

近代皇族の系図や近代皇族の生没年をまとめた表、海外への外国訪問一覧等もあり、近代皇族を調べる際に便利だと思う。
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