この映画の脚色部分やセリフに、違和感を持たれる方は少なくないみたいですね。
劇場で吹替版で観たとき、正直私もかなりあのセリフには興ざめでしたが
DVD購入して字幕で見てみると、仏語わからないのでBGM化したのかそれほど気にはなりませんでした。
それにしても… 特典映像にある1時間余りのメイキングを見てショックを受けました。
念願かなって南極で撮影が出来ることになり、監督を含め撮影スタッフ3人(だけ!)
1時間もかけて服装を整えないと外に出られない寒さの中でも、
皇帝達の姿を間近にできる日々、何と喜びと笑顔に溢れていることか。
それがある日、ホワイトアウトでキャンプに戻れず、撮影とは関係ない基地の人が
助けに来てくれなければ、スタッフ全員死んでいたかもしれなかったそうです。
1ヶ月も撮影にブランクが空いてしまった後、喜びいさんで現地に戻ると
続いた嵐のせいで相当数の雛が死んでいて、「再会は葬送のようだった」と。
ヒナ達の、ペンギンの中でも図抜けた愛らしさや、
胸をぴったり合わせて微動だにせず立ち尽くす、親カップルの官能的な姿。
極限の環境下で生命のおごそかさ、いとおしさを見せてくれる皇帝ペンギンも
毎年沢山のヒナや親達が、とてつもない寒さや飢えや捕食者のため死んでしまう。
目の前でそれを嫌というほど見せ付けられた人にとって
リアルなだけのドキュメンタリーにするのは、かなりつらい事なんじゃないかと思いました。
リアルにするだけが「作品を作る」ことではない、とも。
あの地で命を繋ぐことの困難さは、観た人全てに伝わっているし。
DVDだけでは我慢ならず、ドイツ製のヒナのぬいぐるみまで買ってしまいました。
これからもずっと皇帝達の行進が続きますように。そう願わずにいられません。