数あるハプスブルク関連本の内、本書は、ユニークでバランスのとれた内容だと思います。まず皇妃エリザベートゆかりの品々をカラーで特集した中で、衣服やアクセサリー、宮殿、御用列車などにまじって特に印象深かったのは、乗馬好きの皇妃らしい馬蹄型をした卓上のカレンダー兼時計と、暗殺時に着用していたドレスでした。作家や教授の執筆者が複数いるので、皇妃を含めた関連人物史は、物語調や教科書風ですが、皇帝夫妻晩年の共通の『友人』こと、カタリーナ・シュラットに一項目設けているのも興味深いものがありました。後半、他のハプスブルク家関連の人物史の特徴は、ブラジルの皇妃レオポルディーネら、比較的マイナーな人物も紹介している点が印象的でした。