じつはAmazonサイトで最初に本書を知ったときには「品切れ」という無情の文字がついていた。それが再版され、無事購入できた。・・・諦めちゃダメってことだな(笑)。
なるほど、一時品切れて入手不可になっただけのことはあり、高評価されるのも当然と納得できる、非常に充実した内容である。だからまずは何をおいても、増刷再版してくれた出版社に感謝だ。
奇跡の神秘を湛えたグラビア写真の美麗さは言うに及ばず、日食がそもそもどうして起こるのかという基礎の解説も、貴重な自然現象をいかに観察し、また記録に留めるかという実用テクニック記事も、初心者にはわかりやすく、ベテランをも唸らせる、とても懇切丁寧な内容ばかりだ。“日食病罹患者”急増もむべなるかな。
他レビュアーも言及しているが、09年7月22日が過ぎても、2012年金環日食や2035年皆既日食のときも絶対役立ってくれるに相違ない、“永久保存版”と言ってよかろう。命が続けば、だが・・・(泣)。
本誌記事と付録DVDとを連動させ、過去に起こった日食の記録をしっかり留めているのも、資料性の面で好印象だ。IT技術のめざましい進化がひとつの頂点に達した感がある21世紀の今だからこそ、こうしたコンテンツが実現できたとも言えようが、図書館や専門機関などを数多く巡り歩いてもこれだけの資料はそう簡単には揃えられないと思えば、恵まれた時代になった、とつくづく思う。
非常に局所的な現象である皆既日食は、地球全土を基準にすればほんとうにごくごく一部の地域でしか観られない。こんな恵まれた時代でも、当日その時間にその場所に行けない身(苦笑号泣)としては、世紀の現象の記録を留めた“完全版”みたいな位置づけのムックもぜひ出してほしいな、出してネ、と、今からしっかりおネダリを(笑)させてもらおう。