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島田荘司先生は森先生の言葉が自立したがっている、または前後の文脈なしで独立しようとしていると言っておられます。要するにありものでないからひっかかるということですね。
ただ、ファンの方は作品を通して言葉を味わっているからよくわかるのでしょうが、いきなりこの本を読んだ場合はどうなるかわかりません。なんだコノヤロウという気持ちで向かえば、衝撃的では決してない言葉の集まりですから軽んじられるのも仕方ないかなと思います。
文章のアウトラインがはじめにあって、細部に模様を入れていくのは職人のようです。感情のままに書きまくるということはそう多くないように見えます。
職人の作法は、現代においてみればゆっくりとしていて飽きられるかもしれません。同じことを続けていると、またかといわれてしまうかもしれません。
ただ、目先の新しさでなく、自分なりの目標を立てて一つ一つを作りこんでいく姿勢が森博嗣の選択した作家像ならそれにはゆっくりとついて行こうと思います。今まで述べたように新刊をあせって買う必要のある作家ではありません。受け手と送り手の環は私に限って言えば完全に閉じています。だからこそ、乱暴な気性のレビューも書けます。そうだろうか。
この種の理解、接し方をする人にはまだ会ったことがありません。
これぐらいになれる作家とその文章とは、よいものではないでしょうか?
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