はっきり言ってしまえば、友野氏の文章は読み手を選ぶと思います。独特な句読点の着け方や改行の仕方。あのリズムについていけない、と思っている人が結構いると思います。
それを意識しているのかいないのか、今回は彼ら"グループSNE"のはじめての試みとして、複数の執筆者が自身の担当キャラのストーリーを書き、それを総括者である友野氏がつなぎ合わせる「モジュール形式」を取っています。
その性質上キャラが複数にならざるを得ず、その結末を見ないことには納得しえない読者がいる以上、この手のシリーズの決着として、コレにふさわしいものは他にないでしょう。友野キャラはどうでもいいけど、魔女のひかりちゃんの結末が分かればいいや、とか。
ここまでだったら彼らSNEの商売上手を褒めるところですが、このレビューでこの作品を満点にせざるをえないところは「そのつなぎあわせが、単純に泣き所の多い小説にしあがっている」という一点につきます。どの執筆者も、コレで最後と考えて担当キャラの葛藤に対し結果を出そうとしているのです。つまり、それぞれの執筆者の各キャラに対する思い入れが、ここでは決着、もしくはそれに近い形を迎えているわけです。それを矛盾なく纏めている友野氏の手腕には壮絶なものを感じました。
まぁ、裏の事情はどうあれ、前作「妖魔夜行」からのファンとして純粋に楽しめました。一読して言いたいことはこれだけです。前半でこの盛り上がり、後半はメチャクチャ感動できます。是非読んでください。