主人公、百舌谷小音は他人への好意が攻撃的・暴力的な言動としてあらわれてしまう病気「ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害」通称ツンデレに罹患している金髪美少女小学生。
本作はこの大胆な設定をフル活用して実に多面的な読みを提供してくれる奇形的な傑作です。
メインはギャグで、百舌谷さんの容赦のない暴言やとんでもない奇行はパロディを得意とする作者らしくかなり笑えます。
一方で百舌谷さんのツンデレっぷりは普通の意味でのラブコメとしても読めるようにできていて、思春期の入り口にたつ小学生男女の未分化な恋愛感情を戯画的な手つきでうまく表現しています。
また暴走するギャグ部分とは対照的に「好意を他人に伝えられない」ことの孤独と哀しみはシリアスに描き、さらにはツンデレを病気として設定することで「属性」と「人格」のちがいをはっきりと浮かびあがらせて要素化される「萌え」に対しての批評性を獲得しています(このへんは「屈折リーベ」「あいこら」などに通ずるものがあります)。
このように非常に周到かつひねくれた企みに満ちた作品なのですが、それがくだらなくて、バカバカしい、変態的な物語として出力されることが、一筋縄ではいかないマンガをかき続けている作者らしくてファンとしてはうれしい限りです。2巻が待ち遠しい!