松原泰道師。言うまでもなく現在の仏教界で最も自分に厳しく、最も他人に優しい高僧。
泰道師が68歳の時に最初に執筆された本で、当時薬師寺の高田好胤師が絶賛され、200万部のベストセラーとなった「般若心経入門」。僕は当時10歳でしたが、どういう訳かこの本を購入しているのですね…ちゃんと読んだ跡もありまして、そういう意味では早熟だったのでしょうか。
30も後半になってから、直接泰道師の身近な講演、説法を聴く機会に恵まれまして、一層師の考え方に共鳴、感動している現在の自分がおります。
本著は御歳99歳、数えで百歳の泰道師がもう一度詳細に「般若心経」と真正面に向かい合って執筆されております。例えば「空(くう)」についての説明。「かたよらない心、こだわらない心、とらわれない心、ひろく、ひろく、もっとひろく」と高田好胤師の言葉を借りて「そこに新たな肯定が生まれてくる…それが空の心です。」と非常に明確な解説を30年前の著書以上に行っておられます。世にたくさんの般若心経の意訳、解説本が出ておりますが、大本は松原泰道師であり、この本は更に一歩進めた師の素晴らしい解釈本であります。是非、一読を!付録CD付です。南無。(=信じます、の意味。)