「初恋姉妹」でお馴染みな東雲水生先生による、百合ファンタジー連作集が単行本化されました!
同性の子との関係がギクシャクしてしまい、それに対する不安や焦りで自分を見失いかけている少女たちが、謎の黒猫に導かれて辿り着いた先に現れる不思議な骨董店「猫目堂」。
そこで、彼女たちは、見失いかけていたそれぞれの「本当の想い」を再び手にし、新たな一歩を踏み出してゆきます。
そのタイトルにも現れているように、時には自暴自棄になって、どす黒い感情に身を任せそうになったりする少女たちが、「本当の想い」によって踏み留まり、自ら選んだ道を歩き出す様には感動的なものがありますよ。
そして、ファンタジーでありながら、魔法やなにやらによる安直なハッピーエンドではないところも、東雲先生の百合に対するしっかりしたポリシーが感じられて、素晴らしいと思います。
今後の展開としては、「猫目堂」の女主人の正体(?)などが明らかにされることを期待したいですね。
あと、カバーイラストもそれぞれの少女たちの距離感を上手く表わしていて、とてもいいと思います。
一見地味ではありますが、現在における百合漫画の成熟ぶりを味わうことができるこの作品集を、百合に関心があるすべての方に一読してもらいたいですね。