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この小説では、世界あるいは宇宙そのものが悲惨を通り越して破滅に向かって、静かにしかし確実に進んでいきます。誰にも宇宙の終焉を止めることができません。破滅していく世界の中で、この小説の登場人物たちはとても哀しい。夜空を見上げながら、いつか神様が助けにきてくれるだろうか、と哀しい期待を夢みるようにつぶやきます。 今も現実の世界のどこかで同じことをつぶやいている人たちがいるように。
でも神はやってきません。何故か?その答えがこの物語の核心部分なのですが、主人公の3人たちによってその答えは暴かれていきます。
そしてその答えによって導かれた壮大なイメージこそ、この小説の最大の魅力です。タイトルの「百億の昼と千億の夜」という言葉が持つ意味も、そこにあります。そうしてこの小説を敷衍してみた時に、出だしから終わりまで小説全体がこのイメージを描こうとしていたことに気がつきます。
この本を読んだ後で誰もが言うように、壮大なスケールに暫く呆然とするというのは決して誇張ではないのですが、それは無限と永遠を前にして立った時の自分という個人が、果てしのない壮大な世界や永遠という時間に対してあまりにも小さく、その底知れないギャップに気がつき、愕然とするからでしょう。
その底知れないギャップには、「百億の昼と千億の夜」というイメージとあいまって、読者に美しくも哀しい気持ちと、永遠なものに憧れる敬虔な気持ちとをひきおこす、不思議な作用があるようです。
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