出版社 / 著者からの内容紹介
『日本書紀』や『旧事本紀』には、つぎのような奇怪な伝承が残されている。神武東征以前、天神の子ニギハヤヒが天磐船に乗って畿内に天降った、という伝承である。 天神の子とは、いったい何者だろうか。 民俗学者・谷川健一氏の古代史の闇をさぐる壮大な旅が、ここからはじまる。 銅鐸、白鳥伝説、ヒノモトの地名伝承等をもとに、北九州筑紫平野を起点にはじめた旅は、瀬戸内海を経、畿内に達し、さらに東北にまでいたる。そして、そこからみえてきたものは…………。 それは、正史から抹殺された物部氏の秘められた歴史だった。神武東征以前に雨降った天神の子とは、じつは物部一族であり、彼らはヒノモトと称する物部王国をつくり、自らを白鳥の子孫と考えていた、という信じがたい事実であった。 これらの「信じがたい」事実が、谷川氏の柔軟で鋭い感性と、綿密で膨大な資料の博捜、地名検証によって、しだいにその実像をあらわしていくさまは壮観といえる。 上巻では、こうした物部氏東遷の経緯をスリリングに追い求め、下巻では、神武軍によって敗れた物部氏の一団が、東北へ敗走し、やがて中世になって、エゾとともに東北史のなかに蘇る姿を描きだす。 歴史学者が見落とした、いな、見ることすらできなかったヴィヴィッドな古代の姿が、ここにはありありと見えてくる。歴史に残る名著である。
内容(「BOOK」データベースより)
古代・中世東北の隠された歴史を検証する!安倍・安東・藤原氏など、古代から中世にかけて登場する東北の豪族と白鳥伝承との関わりの陰に、邪馬台国の東遷によって敗走した物部氏とエミシの秘められた歴史を探る。