ラザレフ&ボリショイ・カラヤン&ベルリンフィル(ともに演奏会形式)、ボニング&ナショナルフィル(全曲・ブルメステイル版)、ジェムチュージュン&ボリショイ(ボリショイ版第2幕&黒鳥パドドゥ)、フェドートフ&キーロフ(全曲・キーロフ劇場版)、サヴァリッシュ&フィラディルフィア管(全曲・ブルメステイル版)に続いての購入です。
同じ盤でオデットのイラストがある分がまだ販売されているなかで、今春話題となったあの「ブラックスワン」ブームで再販されたようです。CDの帯にそう書いてありました。ディアゴスティーニのような販促ですが。
私は映画「ブラックスワン」は、バレエを踊る側からみても嫌いだったので、そんな帯書きはどうでもいいのですがただ、ボニングのCDが傷んできつつあるので買ったまでです。こちらを買うまで他のCDにするべきか随分試聴をアマゾンでして悩みました。まだ狙っているCDが1枚あります。
様々な演奏があるなかで、自分が踊るには踊りやすいテンポで構わないでしょうし(なぜなら、日本のバレエ教室はプロでもない限りCD演奏を組み合わせて発表会をするから)、私はバレエを観る時もバレエと音楽の表現力を重視するのですが、この「白鳥の湖」を完全なる原曲で音楽として全曲を聴くにあたっては、テンポが踊りやすい踊りにくい云々ではなく、バレエ全幕を観ていない人たちにもいかにチャイコフスキーの名作を演奏で劇的に想像できるよう表現しているか、という点に重点をおくべきだと思います。
そういう意味からいけば、このプレヴィンが条件を満たしているかといえば「NO」です。
もちろん第1幕のワルツや第2幕の情景、白鳥のワルツ、第3幕の各国の踊り、第4幕の終曲は上手く演奏しています。でも、それ以外の部分は挙げているとキリがないのですが、もう少し考察してから情緒豊かに演奏して欲しかったです。とんでもない部分で「間」をとっているし、おそらく繰り返しがない部分を2フレーズ繰り返したり、突然速くなって尻切れトンボに終わったり、オデット登場のオーボエが棒吹きだったり。もうちょっと何とかならなかったのでしょうか。アマの私でもあんな演奏はしたくありません。
横になって聴いていたら「えっ?!」と思わず飛び起きてしまうような演奏があります。オケの音色も決して美しいという訳でもありません。最初は1976年の収録とあったのでデジタルにしても音質が悪いのかと思っていましたが、ボニングも同年収録なので単にプレヴィンのオーケストレーションの問題だと思います。フルオケになるとどこにメインを置くかがありません。全部が鳴り響き雑になってしまっています。これを聴くくらいなら、整った演奏のハイライト版を聴きます。演奏方法は気に入らなかったものの、サヴァリッシュ指揮のフィラディルフィア管のほうがまだ綺麗です。
というわけで、サヴァリッシュ同様に棚の奥深くにしまうことになりました。(後日、再度聴きなおして
ボニング&サヴァリッシュ演奏でお互いの良い場所を組み合わせたCDを作成中です。プレヴィンは表紙がバレエリーナなのでCDジャケットを飾っています。演奏は一切聴く気はありません。)
ボニングを越える演奏はないので残念です。仕方がないので再販を待つかパソコンでCDを作成します。
もう一方のイラストジャケット盤はどうなっているのか分かりませんが、こっちはとても不親切なCDパッケージです。第1幕、第2幕、という記載とトラック番号があるだけです。CDジャケットを開けば細かく記載されていますが、「テンポ・ディ・ヴァルス」と書かれているので、バレエ演目を知らなければ何のこっちゃ、となると思います。(これはバレエではなく演奏のテンポ表記でしかない)
上演では「三羽の白鳥の踊り」(または大きな白鳥)という言い方をするので、聴いたら分かります。
また、細かく指摘すれば原曲で演奏しているので「ブルメステイル版」に相当するのですが、物語のあらすじは「プティバ=イワーノフ」版を説明してチグハグなことになっています。
ボニング盤では解説者の小倉重夫さんが「単なるバレエ公演のBGMとしてではなく演奏曲目を理解して聴くべきだ」と述べており「ブルメステイル版」について丁寧に書かれていて、各曲についても全部説明が書かれていましたが、このCDは曲の解説も中途半端です。2幕においては1つにまとめています。
普通に聴くなら「とても聴けれない演奏」ではなくそこそこ聴ける演奏に該当すると思いますが、私の中では冒頭に書いた条件に当てはまらず演奏が期待はずれだったので星−1、CD解説を書き直したいと思う出来なので星−1。
出品者が値下げしてくれればサヴァリッシュは即買いなんですが。中古で9000円は高い。。