「強大な武力や神性を少女キャラが象徴」という設定は定番だが、
その対象が「城」というのは珍しい。
しかし、残念ながら上手く消化しきれていない印象。
第1に、「城少女」の具体的能力が「単なる超能力」に過ぎない点。
もっとこう、ヒロイン自身が巨城そのものに変身するとか、
この設定でなければ出来ない独自性が欲しかった。
第2に、実在の名城の名を箔付けに使っているのに、
世界観がまったくのファンタジーという点。
これでは、城姫の名がバーンと明かされた際、城の来歴を
きちんと説明できず、読者が万一その名を知らなかった場合、
何が何だか分からない事態になる。
加えて言うと、この世界観では、登場させられない名建築も
たくさんあろう。まず日本の名城がすべて困難。出すなら
「作中世界の中の日本ぽい国」を描く所から始める必要がある。
さらに、産業革命以降の巨大建築物も文明水準的に殆どNG。
「エッフェル塔」、「エンパイアステート」、「サリュート」、
「ニミッツ旧空母10姉妹」とか登場して伝説的古代建築と
戦ったりしたら絶対面白いだろうに、全て実現不可能と思われる。
ああ勿体ない。なぜ現実世界を舞台にしなかったのか…。
…ただ、物語の展開については、王道のボーイミーツガールや
巨悪との戦いが堅実に描かれていて、安心感がある。
特筆する程ではないが、ちゃんと書かれた王道は退屈ではないと
分からせる程度ではある。王道好きの方はぜひ。